番外編
友に花道を
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れなのに、俺は何も出来なかった。彼女たちの期待に応えることが出来なかった。
「……なあ岸田。俺の編成は間違っていたか」
間違っているはずがない。あの海域であの編成なら、普通に考えればお釣りが来るぐらいだ。ゲーム的にいえば、1-1の海域にフル装備フル編成の艦隊で闘いを挑むようなもの。艦これのゲームをやっている者であれば、今回の提督の采配に異を唱えるものはいない。
今回がレアケースだったのは、潜水艦が確認されなかった海域で、潜水艦隊に遭遇したからだ。潜水艦はシッカリとした対策が取れていればそこまでの脅威はない。だがまったく対策が取れてない状況で遭遇した場合は危険度が跳ね上がる。しかも相手はこちらの索敵範囲外からつかず離れずの距離を保ち、破格の破壊力を持つ魚雷で正確無比なスナイプを行える猛者中の猛者。雑魚一匹だけだと思っていた1-1に北方棲姫とレ級X5が待ってたようなものだ。
間違ってはいない。俺たちは間違ってはいなかった。ただ、相手が一枚上手だったのだ。
「提督、反省を踏まえて、第二陣を早急に編成する必要がある」
「そうだな。力を貸してくれるか岸田」
「もちろん。叢雲たんに会うまで、助力は惜しまない」
かくして、提督と大淀さん、そして俺の作戦会議が始まる。ビス子たちの屈辱の敗戦を無駄にするわけには行かない。彼女たちの無念を、俺達が昇華してみせる。
「対潜特化部隊の夕張と大淀を中心として編成するのはどうだ? 提督はどう思う?」
「私ですか? もちろん構いませんが……」
「ダメだ。大淀はまだしも、夕張は対潜水艦戦では鬼の様に相手を撃沈するが、続く艦隊戦まで体力が続くかどうか……複数回戦闘になると、どうしても装甲面と回避において夕張は難がある」
提督と俺、そして大淀さんとの話し合いの中で、着々と部隊編成が出来上がっていく。火力担当と手数増加要員として戦艦の金剛。偵察と航空戦要員として加賀。先制雷撃要員として木曾とゴーヤ。ゴーヤは敵編成に駆逐と軽巡がいた場合の囮役も兼ねている。そして対潜要員とマルチロールを兼ねた球磨。この五名は割とすんなりと決定した。
「あと一人。確実に比叡を救出するために必要な要因か……」
「誰がよいでしょうか……」
提督と大淀さんが頭を抱えている。
俺は、ここで違和感があった。俺にはひとつ案がある。そして俺の分身である提督が、これに気が付かないはずがない。
「提督」
「ん? どうした岸田。何か案があるのか?」
「ある。そして提督もあるはずだ」
提督の顔色が変わった。やはり思いついているか。
「……案があれば、こんな風に悩んだりしないさ」
なるほど。あくまで提督は口に出さず、その案を封印するらしい。
「ならば言わせてもらうぞ
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