08.ケッコン談義
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頭を自分で撫でていた。
「頭を撫でてくれてたの?」
再度問い詰めてみる。相変わらず僕から目をそらして口を尖らせて口笛を吹いているが、ほんのりほっぺたが赤くなっている辺り、恐らく当たりだ。僕の不安を感じ取って、励ますために頭を撫でてくれていたようだ。
「励ましてくれてありがとう。……でもなんで頭をなでなで?」
「比叡が言ってたネー。シュウくんは頭を撫でて欲しい時、すぐ顔に出るらしいデース」
顔をニヤニヤさせた金剛さんが、僕と妖精さんの会話に乱入してきた。なんでそんな恥ずかしいことを今になって言う?! つーか姉ちゃん、そんなことしゃべってたのかッ?!!
「そんな時に頭を撫でてあげると、心底安心した顔をするらしいデスネ。しかし、妖精さんでも思わずなでなでしたくなる顔だったとは……見られなかったのが残念デース……」
「妖精さんが頭を撫でてあげたくなる顔って……よっぽどですよシュウ……それだけ不安に見えたのか、それとも単なる甘えたがりなのか……はぁ……」
ニヤニヤする金剛さんに加えて、加賀さんは呆れたように頭を抱えてため息をつく。話に入りたいのか、球磨とキソーさんもてれたびーずに近づいてきて、ゴーヤが水中から顔を出してきた。
「ご、ゴーヤにもなでなでさせるでちッ!」
「球磨にもなでなでさせるクマッ!! ……あ、キソーはヤキモチ焼いたらダメクマよ?」
「誰が誰にヤキモチ焼くッて言うんだよッ!!」
「シュウ、お前人気者だなぁ。ニヤニヤ」
『ブフッ……なんだシュウ、お前ショタ属性でも持ってるのか? 比叡だけじゃなくて妖精さんまで自分の姉ちゃんにするつもりかよ』
ゴーヤと球磨だけじゃなく、岸田までニヤニヤしながら僕をからかい始める。提督にいたっては僕のことをショタとか言い放つ始末……なんだこれ?! 僕には天性の弟属性でもあるとでもいうのかッ?!
「どこが人気者だッ! 単にからかわれてるだけじゃないかッ!!」
「……まぁいいんじゃないですか? 緊張感でピリピリしてる空気を一瞬でリラックスさせるのは、一種の才能ですよ」
慰めの言葉なのかそれとも心底呆れているのかよく分からないセリフを吐きながら、加賀さんが矢をつがえて射る。加賀さんによって射られた矢は偵察機となり、空高く飛んでいった。
「加賀の言うとおりデース。シュウくんは貴重な才能を持ってるネー」
『そうだ。艦隊が切羽詰まるよりその方が断然いい』
「何の慰めにもなってないですよ……しょぼーん……」
僕が落ち込んでいると、肩にいた妖精さんが僕の頭によじのぼって、再び頭を撫で始めた。そんなに僕は頭を撫でて欲しそうに見えるのか。……そういや前に秦野が似たようなこと言ってたな。先輩見てると緊張がほぐれるとか何とか……
そんな和や
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