08.ケッコン談義
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デス。それだけ大切に思っているシュウくんから指輪をもらえることは……シュウくんとの絆が出来ることは、比叡にとっては何よりうれしいことだと、お姉ちゃんのお姉ちゃんは思いマス」
確かに。この指輪は鎖でもあるけれど、同時に絆の証でもあるんだもんな。
「もしシュウくんが決断をして指輪を渡したあと消えたとしても、比叡の心には、シュウくんが指輪をくれたという事実が残りマス。そしてもし今渡さなくても、シュウくんが来てくれたという事実が残りマス。比叡にとって、シュウくんはもうそれだけ大切な存在なんデス」
金剛さんはそういい、優しくニコッと笑う。金剛さんはいつも破天荒な感じだけど、自分の姉妹や親しい人が悩み苦しんでいると、こうやって救いの手を差し伸べ、背中を後押しして導いてくれる、本当のお姉さんのような人だ。姉ちゃんもなんだかんだで姉っぽい部分はあるが、多分に姉ちゃんの姉っぽい部分というのは、この金剛さんをずっとそばで見てきたからなんだろうなぁというのが分かる。
「もし比叡のことを心配して渡せないというのであれば、気楽に考えればいいデス。そもそもそれは切り札なんだから、慌てて今渡さなければならないものでもないのデス」
そう言って最後にケラケラと笑うことも忘れない、金剛さんもまた、姉ちゃんに負けないぐらい、優しくて素敵な人だというのが分かる。いや一番は姉ちゃんだけど。
「金剛の言う通りクマ! まだ時間もあるし、よく考えるといいクマ!!」
球磨がキソーさんのこめかみを左右両方ともグーでグリグリしながら笑顔でそう言ってくれる。キソーさんは苦しそうな顔をしながら、それでも自身を折檻する姉に抵抗をしながら涙目で僕にこう言った。
「シュウ…あだッ…お前も色々悩んでいるのはわかった……ただ、さっきの俺の言葉も忘れないでくれ。それだけ、艦娘にとって指輪をもらうことは……イデデ……夢なんだぁあッ?!」
「それでいいクマっ。図体ばっかりでっかくなって自分のことばっかりで、まだまだおこちゃまクマっ」
「うるっさいなー!!」
真っ赤なままの顔を自分の手でパタパタと仰ぎながら、加賀さんも続ける。
「はぁ……提督は何とおっしゃったんですか?」
「渡す覚悟ができたら渡してやれ。渡さないなら海に捨てろ……と。渡せなくとも誰も責めないし、責めさせないと言ってました」
「あの人の言いそうなことね……」
ふぅ……と呆れるようにため息をついた加賀さんは、ほんのりほっぺたを赤くしたまま、僕の顔をまっすぐ見つめて話を続けた。
「私は、あなたが思うようにするといいと思うわ。それがあなた自身の決断である限り、どのような結果でも、それが正解です。あなたが自分で考え、自分で決めたことであれば、私たちはそれを否定しないし、比叡さんもきっと受
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