語られる運命のプロローグ
[3/3]
[9]前 最初 [1]後書き
当にあたると思っていなかった。
「じゃ、じゃあ・・・連続殺人犯も母さんを殺したのもおば・・・さん?」
「それは私じゃないよ?その子とこれは私だけど」おばさんは持っていたボストンバッグの中から何かを取りだした。それは、多田と同じく眼球がえぐり取られ血が流れている男性の首だった。
その生首に見覚えがあった。母さんと結婚していた島さんという人の首だった。
首の根元には肉が見え血がポタポタとたれ落ちている。
「うわああああああああああああああああああああ」俺は頭を抱え込むうなだれるように絶叫した。
「それからあなたの母親を殺したのは・・・」島さんの首をポイっと捨てた瞬間
「うっぐ、はわぁぁあああ」突然お腹を抑え込み突然苦しみだした。
すると、おばさんの腹を突き破るようになにかが這い出てくる。
おばさんの腹から出てきたそれは、この世のものとは思えない悍ましい姿だった。
大きさは小学校生低学年くらい、ぶよぶよした銀色の皮膚をまとった子供で左右の掌には口がついている。
「あの連続殺人事件、そしてあなたの母親を殺したのはこの子達よ・・・」そう言い残して、おばさんは大きな穴の開いた腹部から血を大量に流し倒れこんだ。
おばさんの息は、もうない。
「うわああああああああああ」俺はとてつもない叫びをあげ何も考えず無心で走りだした。あの光景だけが頭の中で映し出される。それでも走り続けた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・つ、ついた〜」家の前についた俺は、後ろを卯振り返った。「・・・い、いない」それはいなかった。
すぐさま玄関を開け上下の鍵を掛け、念のためチェーンもして、覗き穴を見る。
やはり、あれは追ってきていない。自分の部屋に入って「なんなんだよ・・・あれ・・」俺はその姿を思い出す。銀色のぶよぶよした皮膚、左右の掌には口。どう考えても、この世の物じゃない。改めてそう思った。
「夢なら・・・覚めてくれよ・・・」俺は泣きだした。時計を見るともう6時すぎ
これは夢だ・・・明日になったらまたいつも通りの変わらない毎日が来ることを祈って俺は眠りについた。
そう信じていたのに・・・
[9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ