じゃあ俺、魔導士やめるわ
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えたことがほとんどない。それなのにたったの2週間ぽっちでこんな魔法を覚えられるはずがない。その人が付いて教えてくれるということだったのでとりあえず2週間付き合ってみることにした。
それから1週間後・・・
森に大量に生えている木々。しかしそのうちの一部が消え去っていた。枯れたわけではない、原型を留めることなく森の木々が、大地がなくなってしまっていたのだった。
「ウソ・・・」
この森がそうなってしまった原因は俺・・・黒髪の男の人に教えられてダメ元でやってみた魔法。それが見事にハマったのだ。それも彼の言っていた期間の半分、わずか1週間で。
「たった1週間でこの魔法を覚えるとは・・・やっぱり君には才能があるよ」
才能がある・・・そんなことを言われたのは初めてだった俺はハニカミながら顔を赤らめていた。
「じゃあ僕はもう行くよ。いつかまた君と会えるといいね」
男の人はそう言うと背を向けて立ち去ろうとする。俺はその人を呼び止める。
「あの!!」
「なんだい?」
「ありがとうございました!!」
俺はこちらに向き直った男の人に頭を下げる。しばらく頭を下げた後に顔をあげて視線を合わせる。
「もしよければ・・・名前を教えてもらえませんか?」
俺に名前を聞かれたその人は軽く頭をうつ向かせた後、少し口角を上げる。
「黒魔導士・・・とだけ言っておくよ」
男の人はそれだけ言うとこちらに視線を戻すことなく立ち去っていく。
「黒魔導士・・・?」
どこかで聞いたことがあるようなないような・・・俺は頭の中にある記憶を掘り起こしてその単語を探そうとする。しかし、その答えにはたどり着くことはなかった。
「黒魔導士・・・あ!!」
腕を組み頭を悩ませていた俺はあることに気付いた。
「森から抜け出る道・・・教えてもらえばよかった・・・」
俺はガックリと地面に座り込み、やってしまった凡ミスに大きな後悔をするはめになった。
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