じゃあ俺、魔導士やめるわ
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最初は列車で街を出てそこから首都のクロッカスにでも行こうと考えていた。しかし駅の前まで来てあることに気づく。
「金がない・・・」
よく考えたら俺は1Jもお金を持っていない。家に帰って持ってくることも考えたが今帰るとリオンくんがいるかもしれないからそれは避けなければならない。たから俺は人目につかない森の中を進むことにした。
街の中を歩くと誘惑がたくさんある。お金がないと盗みに走ってしまう気がした俺はただ木々が生い茂る森の中をクロッカスがあると思う方向に歩き続けた。
だがろくに調べもせずに歩を進めていたため俺は森から抜けられなくなっていた。森では魚を捕まえたり木になっている果物で飢えはいくらでも凌げたし困ることはなかったが。
完全に道に迷ってどのくらいなったのだろうか。俺はいつも通り川で捕まえた魚を頬張っていると近くの茂みからガサガサと音が聞こえてくる。
不審に思った俺はそちらを向くとそこには黒い髪をした20代くらいの男の人が立っていた。
「こんなところに・・・人?」
それはこっちの台詞と言いたかったが口にものが入っていたので何も言えなかった。ちょうど最後の一口を食べ終えたところで俺は立ち上がりその男の人の方を向く。
「あなたこそこんなところで―――」
「待て!!」
俺が近づこうとすると片手を前に出して制止する男の人。
「僕に近づいてはいけないんだ」
「はい?」
いきなり何を言い出すのかと思えば・・・なんだっけ、こういうのは確か・・・東洋の言葉で厨二病って言うって前に誰かから聞いた気がする。意味はわかってないけど。
俺がそんなことを考えていると男の人は苦しそうに頭を抱えている。
「死の捕食が・・・来てしまう・・・」
「?」
近づくなと言われてもここまで苦しそうだとさすがに放ってはおけないだろう。もっとも、何か病気だったりしても俺はどっちが街なのかわからないから助けられるか微妙だけど。
「大丈―――」
俺が男の人の肩に手を置こうとした時、
キィィィィン
黒髪の男の人から突然放出された黒い波動が俺のことを飲み込んだ。
??side
まただ・・・またやってしまった。
僕の呪われた体は人の命を尊く思えば思うほど人の魂を奪ってしまう。最近は少しずつ落ち着いて来ていたのに、この少年を見た途端“死の捕食”が来てしまった。
「僕はまた1つ、罪を背負ってしまった」
以前ナツに会った時にも彼のような金髪の男を殺めてしまった。あの時と同じように、白目を向いているであろう少年の目を閉じてあげよう、せめてもの償いに。そう思い僕は彼に近づこうとした。しかし、そんな僕の目に思いもよらな
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