じゃあ俺、魔導士やめるわ
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え?
「リオンのいとことの話だったし、シェリアのこともあったからかなり期待していたのだが・・・あれほど魔法の才能がない子もなかなかいないだろう」
「そうですね」
魔法の才能がない・・・それを聞いて頭にはある言葉が浮かんでくる。
『お前本当にリオンのいとこなのかよ』
もう4年も前のことなのに鮮明に頭にこびりついているこの一言。だがそれだけならまだよかった。俺がリオンくんたちとは違うということは前から気付いていたことだし、気にしなければ問題ないと思っていた。次の言葉さえ聞いていなければだが。
「そういえばシェリアはまだどのギルドにも加入していないようだが、なぜだ?」
「なんでもレオンと一緒にギルドに入りたいと言ってまして・・・」
「何!?まったく・・・自分が苦しいだけならいいのだが、シェリアの邪魔だけはしないでもらいたいのだが・・・」
俺が・・・シェリアの邪魔をしている・・・?
言われてみると思い当たる節がいくつもある。飛び級に必要な書類の記入を俺に構っていたせいで提出が遅れたこともあったらしいし、何より俺が卒業するのを待っているせいで彼女は今自らブランクを作ってしまっている。
ブランクは空けるのは簡単だ。しかしその空いた分を埋めるのには相当な時間がかかる。例え才能溢れるシェリアであってもそれは同じことだろう。
だけど・・・だからといって俺に一体何ができる?そう思っていると、グラン・ドマは続けてこう言った。
「彼が魔導士など目指さなければよかったのに」
その言葉を聞いて、俺は完全に気持ちが切れてしまった。俺は教室に向かって駆け出し扉を思いきり開ける。そこでは授業をしていたクラスメイトたちがあまりの音に驚きこちらを見ていた。
「大丈夫か?レオン」
来るのが遅かった俺を心配し声をかけてくれる先生。俺はそれに適当に答えて鞄の中に教科書などの荷物を押し入れていく。
「どうした?レオン」
周りの奴等も俺が荷物を片付けだしたことに違和感を覚え声をかけてくれるが、俺はそれにもちゃんとは答えず、ノートを1枚ちぎりある文章を記入する。
「これでよし」
俺はパンパンに教科書が詰まったかばんを担ぐと教室から出ていく。後ろから先生が何か言ってるけど俺はそれに耳を傾けることなく去っていく。
しばらく歩くとさっき校長とグラン・ドマが話していた通路に差し掛かる。その場所ではまだ奴等は何かを話していた。
ちょうどいい。俺はわざとその2人の間を通るように歩いていき、校長の方を見向きもせずに先程教室で書いた紙を投げつけるように渡す。
「なんだレオン!!今は授業中だぞ!!」
「話している人間の間を通るとは何事だ!!」
2人ともカンカンの様子だけど俺はそれに対しても反応することなく歩き去
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