じゃあ俺、魔導士やめるわ
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その次の日、リオンくんが帰ってきたので適当に「少女願望があって」とウソをついてしばらく女の子の姿で生活することにした俺。
そこまで長い期間はやろうとは思っていない。最低限2年生に上がるまでには元の男の子に戻ろうと考えていた。
それから2ヶ月ほどしたある日、元に戻る大義名分を手に入れた。
12月16日、リオンくんの弟弟子がいるギルド妖精の尻尾の主力魔導士たちがアクノロギアの咆哮によりギルドの聖地とされていた“天狼島”ごと消滅してしまったらしい。
10年ものすれ違いからようやく和解した数ヵ月後のことだった。よほどリオンくんは悲しかったのだろう、毎日リオンくんは辛そうだった。
「リオンくん」
俺は後ろから彼をぎゅっと抱き締める。それでようやくリオンくんは俺のことに気づいた。そして彼は俺を見て驚いていた。
「レオン・・・その格好・・・」
その時俺は“女の子”であることをやめた。弟弟子さんの代わりに、リオンくんの“弟”として励ましたいと思った。リオンくんはそれを感じ取ってくれたのだろう、今まで通りの優しくて強いリオンくんに戻っていた。
それから数年後、今から4年くらい前だっただろうか。俺は10歳になりシェリアが11歳になった年にシェリアは飛び級で学校を卒業した。
本来9年間受けなければ卒業できない魔法学校をわずか5年で卒業するという驚異的なスピードを見せた。
「シェリア、卒業おめでとう」
「ありがとう!!」
俺は賞状の入った筒と辞書のような分厚い本を持っているシェリアに声をかける。シェリアはいつも通りの笑顔でそれに答えてくれた。
シェリアの持っていた本は評議院の議長、グラン・ドマが飛び級のお祝いに与えたものらしい。
どんな魔法の本だかは知らなかったが、きっとすごい魔法を記してある本なのだろう。まぁ、シェリアならそんなものもいとも容易く修得して周りを驚かせることは俺には目に見えていた。
「来月からはリオンくんたちと同じ蛇姫の鱗の一員だね」
シェリアは学校卒業後は蛇姫の鱗に入ることがほぼ確定していた。やはりいとこのシェリーさんがいるし、何よりもシェリアが大好きなリオンくんもいる。しかしシェリアは首を横に振った。
「あたし、まだ蛇姫の鱗には入らないよ」
「え?」
意味がわからなかった。通常魔法学校を卒業した人はすぐにどこかのギルドに所属する。授業で聞いた話だとフィオーレには約500のギルドがあるらしい。だからどこかしらのギルドにみんな入る。中にはフリーの魔導士になる人もいるけど、そんなものは極一部だ。
「シェリアはギルドに入った方がいいよ!!
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