暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
160

[8]前話 [2]次話



 さめざめと

  想ふは風の

   吹き抜ける

 日も弱々しきし

    年の暮れかな



 私の心は…いつも淋しさに涙を流して彼を想い、会えない哀しみに喘ぐ…。

 どれだけ想えば奇跡は起こるのか…そんな風に考えている私を嘲笑うかのように、冷たい風が吹き抜け行く…。

 空は雲に覆われ、冬特有の愁いを帯びた色をしている…。
 光は弱々しく、私の未来を案じしているように感じる…そんなことを思う年の瀬だ…。



 山里の

  野山を覆いし

   白妙の

 想いぞ深く

   重ねゆくかな



 あまり雪が降らないと言っていたら、あれよと言う間に積もってしまった…。
 それはまるで…真っ白な布が野山を覆っているような気さえする…。

 その雪景色を前に…彼への想いはより強くなり、雪が積もるほどに…白布が幾重にも重なってゆくように…想いも深くなってゆくのだ…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ