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子供たちに襲われて呆気なく気絶した一刀は、襲った子供たちに連れられて再び布団の中に逆戻りしていた。
「父上が変」
子供たちの中から華連が立ち上がり、意見をしたところで他の子供たちが反応を示す。
今では、一刀に寝かせられた子供のほとんどが目を覚ましていた。
「お父様は変わっていませんが?」
「父様死んじゃやだー」
「うるさーい!」
子供の行動はそれぞれで、一刀に泣きすがる子もいれば、寄り添って眠る子。
また、布で顔を拭く子と、皆が一刀の周囲に集まっている。
そこから言えることは、子供たち全員が一刀を慕っていると言うことだった。
「それじゃあ、何か思い付いた人」
華連が皆のまとめ役として司会をするため立ち上がり、皆を見渡しながら話す。
その姿は板についており、誰もがそんな華蓮の行為に口を挟もうとはしない。
「はい! はい!」
「桂華」
「えーっと。お父さん若くなってます!」
『えっ!?』
桂華の言葉で、一刀に子供たちの視線が集まる。
それまでしっかりと確認していなかったのだろう、数人は顔を触ったり、服の下をゴソゴソと触り始めた。
「若い?」
「分かんない」
「顔の皺が無くなってる?」
「髪も真っ黒なのー」
「元から黒だったかも?」
「お母さんが皺を消すのがあるって言ってた」
子供たちは気絶している一刀を触って確認しあうが、一部の子供が納得したのみで、最終的な結論は出ないため、持ち越しとなった。
「他に何かある人」
「あの〜」
遠慮気味にベレー帽を被った女の子が手を上げる。
一気に視線が集まったことで、少し泣きそうな顔をしているものの、ベレー帽で顔を少し隠しながらではあるが、意を決したように話し出す。
「次は緋里ね」
「ご飯はどうなるんでしょう?」
『!?』
子供たちの間にはしった衝撃は、一刀が若返ったどころの話ではなかった。
子供の三大欲求とも言うべき、食う・寝る・遊ぶの1つが無くなろうとしているのだ。
賢い子は今だけではなく、これからのことに危機感を募らせ始める。
「お腹減った……」
思い出したように答えたのは、それまで一刀にくっついていた女の子だった。
「取り敢えず起こしましょう」
『賛成〜』
「あわわ……ほんとにいいのかな〜?」
「大丈夫だよ、幼里ちゃん」
そうやって幼里を元気づけたのは、緋里だった。
「本当に?」
「───たぶん」
鈍い音と共に、叩き起こされる一刀。
「あわわ」
「はわわ」
二人は物理的に起こされる一刀を、顔を青ざめ
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