『仲間、誠(セイ)』
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ん思う。
零は、一見強く見える。でもやっぱり強がってるだけなんは解る。全然普通に弱い女の子やと思う。でも女の子なんやし、それで良い。そんな肩肘張って疲れる生き方してたら、いつか倒れてしまう...それが心配やし怖い』
組長が言う。
『誠、オマエ...なんでそんなに零のこと解ってんの?怖いで?』
『...写真見して貰って、たまたま零を見かけてから、何回か様子見に行ったり尾行したり...心配で見てました』
『ほぉよ、誠、零のこと監視しょったんよー!』
『そんなことしょったんか!いつの間に...』
『ん?組長は知らんかったん?』
『しらんしらん!!』
『ちょお待って!!...ほななんで今日あそこ来たん?...怖いって!!』
『んなもん探しまわったに決まっとるやんけ!あほかっ!』
『ほんまぁ?実は零にGPSとか埋め込んどんちゃん?』
『あほぉ...!!』
呆れたようにチカラ無く言って席を立った。
零は、施設に入る前から組長に拾われてる。
施設に入ってからも変わらずに助けてくれる。
限られた自由の中で組長との時間をつくる。
もしかしたら気付いてないだけで恋心とか在ったんかも。
色々思い出しながら飲む。
ペースがあがってきて、それを見て、誠が心配そうに聞いてきた。
『お酒強いの?』
『気分によるんかな?テキーラ飲み過ぎたら頭割れそぉなる。まずくなるし』
『テキーラ?え、何度あるか知ってて飲んでる?』
『え?熱?無いよ?』
『そぉやなくて!お酒の度数、知らんと飲んでる?』
『何それ、酒も熱あんの?』
『もーっ!!シッカリしてよ零チャン!ここにお酒の度数書いてるの!数字が高いほどキツイの!危ないの!女の子なんやし気を付けなアカンやんか!』
呆れたように説明してくれて、チャン付けやし、普通に喋れてるし、誠も何気に酔ってそうやなぁって思った。
組長が戻ってきた。
『零、そろそろ送ろうか。酒のニオイ消せよー』
『はぁい。誠、またね!』
『うんっ!またね!』
車内では組長が尾崎を熱唱。
自分で歌いながら泣く。
普段、聴く機会が無い歌を聴かせたいのか、単純に好きで歌ってるだけなんか...
真意は解らんけど、こんな時間も凄く好き。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ