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『続:殺し、失い、得たもの。』
『組長、現る』

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そんな零を察知したのか、単なる偶然か、相変わらず怖いタイミングで目の前に現れた組長。
場所は監視さんから聞いたんやろうけど...
ビシッ!!とキマッた服装で、いかにもヤクザって感じで違和感しかない。
車を降りてコッチに向かって来る。
零を見て第一声。

『おー、嬢ちゃん、何しとんねん!えートコ連れてっちゃろ!』

なんかまた芝居かかっとる。
好きやなぁ...。
チャラけてる時の組長、ごっつおもしろいし好き。

『ホンマ笑えるしぃ!なんなんそのキャラ!しかもそのカッコで言うたらシャレんならんしぃー』

『おまえが笑えたらソレでええねん、なっ!!』

ニカッ!っと無邪気に笑う。
久々の、何とも言えん笑顔に癒された。
また涙腺が故障する。
困らせてしまう。

服装からして家に帰ってないし、絶対疲れとんのに。
ホンマ自分が嫌んなる。
組長は何も言わん。
零を人目から隠すように胸に引き寄せて腕を廻してきた。
紳士的な心遣いに思わずドキッ!!っとしたのは内緒...。

女子高生の『カッコイイ!何アレ!誰っ!』ってのが聞こえた。
確かに今日の服装なら...
まぁ...近くに居過ぎて見えてない部分はあるかもなぁ...
一般的に言えば紳士的な大人やし、中身もホンマに優秀な人間や...
組長が父さんなら間違いなく自慢できる。
尊敬してる。
組長おらなんだら零は生きていかれへん。

久々の組長宅。

『ほら、飲んで待っときぃ。着替えてくるわ』

渡されたのはドライ♪

『やったぁ!ありがと♪』

居間に行くと既に人が居た。
零を監視してた人?
思わず声かけた。

『もぉ監視終わり?』

焦ったように言う。

『いえっ!いやっ!すんませんっ!はいっ!終わりですっ!!』

組長が来た。

『零、ワシの大事なヤツ虐めたら許さんぞ!オマエは娘、コイツは息子。そんな感じや♪えーやろ?家族やっ!兄貴やぞ!礼儀はシッカリなっ!!』

『...ほぉなんや...』

せなあかんことってコレやったん?
組関係無く?
それとも...?
解らん...

兄貴に向き直って言う。

『零です。いきなりすんませんでした。お兄さん、よろしくお願いします』

『いえいえこちらこそ。えっと...誠(セイ)と言います。誠実の誠です。よろしくお願いします。えっと、年は同じなんですが、お嬢さんのひとつ上の学年です』

なんか...人慣れしてない感じ。

緊張しまくっとる。
お嬢さんって...笑えるし。
組長が必死で笑いを堪えながら言う。

『誠...カタ過ぎ...くっくっくっ(堪えきれてない笑い)...零、よろしくな...零の仲間や...』



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