第一章
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バイキングの兜
バイキングは言うまでもなく北欧の戦士達だ、海で暴れ回った。
「凶悪な奴等だった」
「野蛮で残虐だった」
「いきなり来て奪い尽くした」
「殺して殺して殺しまくった」
こうしたことが語られる、だが。
実際はとだ、ノルウェーのオスロで小学校の先生をしているヨハン=デルクセンは授業の時に生徒達に言った。
「確かにご先祖様達は暴れたよ」
「それでもですね」
「言われてる様なことはですよね」
「なかったんですよね」
「シェークスピアで言われてる様なことはね」
それはというのだ。
「ないからね」
「そうですよね」
「あそこまではですよね」
「なくて」
「モンゴルみたいなことはなかったですよね」
「そのモンゴルもね」
欧州どころか世界単位で極悪非道と言われているこの大帝国もというのだ。
「いつもそうじゃなかったから」
「何か先生のお話ですと」
「確かに無茶もやったにしても」
「それでもそれはあの人達にとって必要なだけで」
「普段はですね」
「そう、いつも奪ったり殺したりじゃなかったんだよ」
そのモンゴル帝国もというのだ。
「あの国にしてもね」
「それでバイキングもですか」
「奪ったり殺したりばかりじゃないんですか」
「よく言われるみたいに」
「そんなのじゃなかったんですね」
「そうだよ、そうしたことは確かにあったけれど」
それでもというのだ。
「そうした人達でもなかったんだよ」
「じゃあ悪く思うこともですか」
「ないんですね」
「悪い人達だったとか」
「海賊みたいだったとか」
「いいこともしていれば悪いこともしていたんだよ」
今の観点から見ればというのだ。
「バイキングもね」
「そうなんだ」
「じゃあバイキングもなんだ」
「あの人達も悪い人達じゃなくて」
「特に嫌う必要もない」
「そうなんだ」
「まずは知ることだよ」
デルクセンは生徒達に微笑んで言った。
「それからだよ」
「知ることですか」
「バイキングについても」
「まずはですね」
「そこからなんですね」
「そう、だから明日は博物館に行くよ」
こうもだ、デルクセンは彼等に言った。
「いいね」
「そのバイキングのことを知る為にですか?」
「その為に」
「うん、じゃあ行こうね」
こう言ってだ、デルクセンは生徒達をその博物館に連れて行った。その博物館は彼等の祖国であるノルウェーの歴史の資料を集めたものだった。
そこに行く時jにだ、生徒達はこんなことを言っていた。
「バイキングっていうと大きくて」
「そうそう、大きな人が多くて」
「大きな盾を持ってて」
「斧だよね、斧」
「そうそう、斧だよねバイキングって」
「斧と盾で武装
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