07.妖精さんは頭の上が好きらしい
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号が僕のもとに戻ってきた。ドヤ顔で敬礼とサムズアップをこちらに向けながらゆっくりと近づいてきて、僕の頭に着陸する。妖精さんたち、そこはヘリポートではないですよ?
「球磨姉、相手はどうした?」
「きっちり張り倒しておいたクマ。だからもう心配はいらないクマっ」
「あ、あのー……球磨さん?」
「クマ?」
「この前、加賀さんと演習して勝ったって聞いたけど……ほんと?」
僕は、加賀さんやゴーヤの言葉が今一信用出来なくて、つい本人に聞いてしまったのだが、以外と本人はあっけらかんと答えてくれた。不敵な笑顔が印象的だ。こんな表情を見せる人だとは思わなかった。
「ふっふっふ〜。空母勢最強って聞いてたけど、艦載機を出す前に張り倒せばこっちのもんだクマ!」
「ゴーヤたち潜水艦6隻相手に勝利ってのは……」
「潜水艦たちは水上にひっぱり出してあげると何も出来なくなるクマ。コツを掴めば意外と簡単クマよ?」
なるほど……この艦隊の編成案を考えたのは提督と岸田だけど、提督が球磨さんを選んだ理由がよく分かった……この人強すぎる……
「そうでもないクマ。 金剛や比叡には勝ったり負けたりだし、対潜水艦戦闘なら、球磨よりも夕張のほうがえげつないクマ」
そういや加賀さんがそんなこと言ってたな……。『夕張』という単語を聞いた途端、ゴーヤがビクンと身体を震わせ、顔が青ざめたのが分かった。どうやら潜水艦たちにとって、トラウマを植え付けるほどの恐ろしさを誇るのが夕張さんらしい。
「あ、それとシュウ、球磨のことは呼び捨てでいいクマよ? てかすでに球磨はシュウのことを呼び捨てにしてるクマ」
「わかった」
ともあれ、一番のネックといえた潜水艦隊は無事撃退出来た。あとは姉ちゃんの海域までひたすら突っ走るのみだ。
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