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寄生捕喰者とツインテール
一先ず日常
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硬い『何か』が、後先考えず岩石にぶつかったが如き音と、二つに重なる悲鳴が壁の反対側から聞こえてきて、会話を一時中断せざるをえなくなったた。

 暫くして何やら、言い争いらしき会話が総二の耳に届いてくる。


『ちょっと何なのよこの壁の硬さ!? こんなに硬かったっけ此処!?』
『頭が潰れるかと思ったじゃないですか! 人を勝手に抱えて武器にして置いて、この仕打ちは余計に酷すぎますよ!!』
『私だって知らないわよ!? 何でこんなに強固になってるのかなんて!』


 それは総二にとって聞き覚えのある女の子の物であり……言わずもがな、愛香の声とトゥアールの声であった。
 どうも会話内容から察するに壁がぶち破られかけたらしいが、異様に硬くなっていて逆に弾き返されたらしい。


『……壁破るの駄目。……レッド―――違った、総二に迷惑……』
『!? って事はあんたの仕業ねグラトニー!!』
『良く見たら左腕がちょっとゴツくなって、オレンジ色に染まってますね!!』
『……触ったら固定、強化できる。人間じゃ壊すの無理……あとオレンジじゃなくて柿色』


 遅れてグラトニーの声も聞こえてきた。
 先程出て行ったのは、二人の襲撃に対応する為だったと今になって分かる。

 彼女自体は常識外れな存在にも関わらず、頭の中身が意外なほど常識的であった事が分かり、総二は部屋の損壊を防いでくれた事と、此方をちゃんと慮ってくれた事の二つで、ホッとしながら大いに感謝していた。


『幾らグラトニーちゃんでもこれは見逃せません! 総二さまの部屋から他の女の匂いがするんですよ!? 愛香さんも私なんかと争っている場合じゃあないんです、危険なんです急がないと!』
『他の女の匂いなら目の前でプンプンしてるけど!? しかも片方は兎も角、もう片方が超絶敵にヤバ気な!!』


 皆さんもご存じではあろうが……電話越しの声は聞こえにくく、精々モニョモニョモニョ〜とした者が漏れ聞こえるだけ。
 その上に、愛香は隣の家で窓を閉めており、トゥアールは地下研究室で寝泊りしていると言うのに、どのような仕組みを持って “女と” 会話していると見抜いたのか甚だ疑問である。

 主に総二関係限定での、第六感が備わっているとしか思えない。


『それに危険とかいうならアンタが最も危険でしょうが! 何なのよその悪趣味な布面積が極小且つ、本来の用途が行方不明なスケスケの下着!!』
『何を言っているんですか、これぞ一種のドレスコードの体現ですよ! 殿方の就寝中にレディがお邪魔すると言うのなら、妖艶さに脱がしやすさをプラスした下着が最も適しているのです!』
『異次元の常識をそーじの部屋で実行しようとすんな!!』
『いいえ全次元共通です! 生殖生物の枠内の収められてい
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