一先ず日常
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感情とは一体何なのだろうか。
そもそも本題が何なのかすらまだ口にしていないのに、自分が感じ取った事を盲目的に信じてしまうとは、一体何が彼をそうさせるのか……。
「だからさ、会長が俺に相談事を持ちかけるなら、ツインテールの事しかないかな、って」
……だからその決めつけは、何が根拠となっているのだろう。
再三言うが、慧理那はまだ何が言いたいのか、何で電話をかけたかを一切口にしていない。相談事がと言ったのみで、後は総二がドンドン先に進めて言っているのだ。
[あ、すいません観束君……違うんですわ……津辺さんやトゥアールさんは名前で呼んでいるのに、wたしだけ会長のままなのが、何だか他人行儀で……]
「あ……」
実は彼、ちょっと前までは『慧理那』と名前で呼んでいたのだ。
だがお分かりの通り、我に返ったのかそれとも癖になっているのか、以前の会長呼びへ逆戻りしてしまっている。
つまるところ慧理那は、ツインテイルズとなったのだし皆と距離が縮まったというのに、何時までも役職呼びなのがどうも納得がいかないらしい。
「じゃあ慧理那、一ついい?」
[は、はい観束君……]
「俺の事も総二、って呼んででくれよ」
[はい、ご主人様と呼びますわ]
そこで流れる一瞬の静寂―――
「[えっ?]」
そして二人とも、まったく同じタイミングで声を上げた。
会話が色々な意味で噛み合っていない所為と、お互いにどこか抜けている部分があり、その所為で理解する前に流しかけてしまっていたのかもしれない。
特に慧理那の言葉は受け流してはいけない……決して。
[ええ、ええ! ええ! そうそうそうですわそうですわ、そうですわ総二ですわ! 総二、総二ですわ!]
「そんな連呼しなくても……」
幸いにもツインテール以外の事は酷く鈍感な総二には、慧理那の失言は其処まで深く受け止められていない様子。
本当に電話の相手がツインテール馬鹿で良かった、慧理那はそこそこの幸運の持ち主である。
されど慌てたのも数瞬。
その後はとても嬉しそうに呟く。
[とても、嬉しいですわ……こうやって仲間として、名前を呼んでもらえる事が]
「慧理那……」
総二も看過されて温かな気持ちになったのか、胸に手を当てて目を閉じている。
[それで……もう一つの相談なのですけど、昨日お母様が私に―――――]
『ずおりゃ―――』
“ゴズン!!”
『ゴッハアアアァァッ!?』
『ニギャアアアァァァァ!?』
「……は?」
[……はい?]
此方が本題らしき、慧理那の相談が打ち明けられる直前……それなりに
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