23話 数々の星屑たち・・・ 5.12
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とキシリアは感慨深く眺めていた。
「これで、宇宙の権利、権威が世に示されるのだ」
そうデギンが語ったとき、白い閃光が艦橋を包み込んだ。
シーマは既にその光の効力に届かない距離に位置し、デラーズ艦隊へ向かっていた。
シーマの座乗艦リリー・マルレーンのモニターにはシロッコが映し出されていた。
「よくやってくれたシーマ中佐。これで君たちの連邦の席を用意することができよう。君たちが宇宙を平和に導いてくれたのだ」
シーマはシロッコの姿を見て、紅潮していた。
「ああ、アンタの言う通りにしたんだ。それなりの期待をさせてもらうからな」
シロッコは微笑を浮かべ、シーマを労った。
「当然だ。私は誠実な男だ。君の様な素敵な女性を今まで汚れ仕事を押し付けていたジオンにこそ罪があり、今その報いを与えることができた。まして君の手でな」
シーマはジオン本隊の反応の半数が消えたことが確認できていた。グレートデギンの消滅も確認している。つまりデギンとキシリアがこの世から消え去ったのだった。
ギレンは生き残っているが、それも連邦の戦力があっという間に一網打尽にしてくれるだろうと予想していた。
コロニーもワイアット艦隊が始末するのだろうと睨んでいた。それをシロッコに尋ねてみた。
「シロッコ。あのコロニーはワイアットが何とかしてくれるんだろ?」
シロッコは無言で頷いた。そしてシーマがデラーズを叩いた後に再び地球軌道上のステーションで再会しようと約束した。そのことにシーマは喜んでいた。シーマも何故自分より年下のシロッコに想いを馳せたのかはよくわからない。ただ恋愛というものは、いつの世も不可解なものだという話だった。
ワイアットはコロニーの異変により、ジオンの半数が消滅したことに戸惑いを覚えていた。
しかし、それが誰の仕業が答えがすぐにやって来た。オペレーターが通信でジャミトフからワイアットへ取り次いで欲しいという話を持ってきていた。
ワイアットは苦虫を潰したかのような顔で、残敵の掃討とコロニー内部に潜入しての進路変更を命じ、ジャミトフと通信を受けた。通信モニターにジャミトフが映っていた。
「やあ、ジャミトフくん。君がどうやら我々の戦いに水を差したようだね。まあ被害が軽微に済んだのは有り難いが、謀略は正直好かないな」
ジャミトフは苦笑し、ワイアットに語り掛けた。
「大変申し訳ございません将軍。あともうひと押し、将軍のお手伝いをさせていただきたく連絡致しました」
「手伝いだと・・・なんだ」
「はい、バスクは月のコロニーに向かわせております。将軍には作戦行動に水を差してしまいましたが、一応コリニー将軍の許可と参謀本部の許可を頂いております。そして、それを伝えるに激戦下で困難でありまし
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