23話 数々の星屑たち・・・ 5.12
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つもりであった。
戦略的には既に勝敗はついているのだが、依然敵の戦意は衰えていない。彼らにはまだコロニーがあった。
そしてコウの前に再びノイエ・ジールが補給と修理を終えて姿を現していた。
「ガトーか!」
「むっ!ウラキか」
両者とも互いの大きな機体にすぐ気が付き、攻撃を始めていた。
スレッガーの教えを元に、コウは距離を取り、どこのポイントでの攻撃が次につながるようになるか、できるだけ見極めながら、ここまでの戦闘をこなしてきていた。その結果、ここまでの戦闘がより効率化され、弾薬の消費量や本人の体力の消耗等を軽減されていた。その事に自分でも驚いていた。
コウ自身も元々学習できる方だった。短期間でGP03も使いこなせていた。スレッガーの客観視論は自身の効率化だった。
ガトーもコウの攻撃のスタイルの変化に戸惑っていた。
「こやつ・・・動きが変わっている。厄介な方に・・・」
ガトーは攻めの姿勢から若干守勢に回ったりし、本来の積極性が為りを潜めていた。
その事に気が付いたコウは効果があると踏んで、よりガトーの動きや機体性能に不利な状況を自分の中で探しながら、ガトーの攻め手を詰めていった。
コウのガンダム自体の元より小回りが利くものではないので、ある程度の距離からビーム砲やミサイル等をガトーに浴びせていた。ビームはI・フィールドで、ミサイルは避けるか撃ち落としていた。
しかし、避け切れないものが機体に掠め、ノイエ・ジールの性能の低下を徐々に招いていった。
* クワジン級 デラーズ旗艦 艦橋 同日 14:15
戦闘については敗戦濃厚だが、ジオンのコロニーは未だ健在でそれを阻止限界点まで持っていくことのみに執着していた。負けない戦いはできるとデラーズは自身の艦隊状況を把握していた。
ところが秘匿回線でギレンからデラーズ宛てに連絡が入ってきた。
「モニター通信で会話する。艦橋に回してくれ」
デラーズがオペレーターに命ずると、艦橋のモニターにギレンの顔が映った。
「息災でなによりだデラーズよ」
「はっ。激戦の最中、兵士たちはコロニーに全てを託して奮闘しております」
デラーズはギレンに敬礼をし、直立不動となっていた。
ギレンは目を閉じ、少し間を置いてから再び見開いた。
「デラーズ。お前の艦隊をその場よりマ・クベの艦隊と合流するべく転進させろ」
「は?・・・」
デラーズはギレンにこの戦場を放棄せよという指令に戸惑いを覚えた。
ギレンは少し笑い、再度デラーズに伝えた。
「デラーズよ。その場にいるとお前も死ぬぞ。それよりはもう一つのコロニーをケアにあたれ。以上だ」
ギレンは一方的に通信を切った。デラーズは自身の艦隊を月の方角へ転進する
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