第35話 Goodspeed of the East 4
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倍になっている。
「ハァァァァ????」
「いいねぇ、いいねぇ、そうこなくっちゃなぁ、緑髪ィ??」
ダブルアクセルのキャシーに、男はついてきた。だが焦りはしない。こんなものは想像の範疇だ。気にもとめず刃をふるう。
右を出せばまた左を出し、その刃を男へと叩きつける。だが、当たらない。まるで何か分厚い鋼を突いているかのようだ。男は何もしていない。なのに、こちらの攻撃は全てが通らないのだ。
ーなんでっ??
歯をくいしばりながら、アクセルのギアをダブルからトリプルに上げる。届かないのならもっと数を増やし、アクセルで突破するしかない。
連打の数を増やし、一撃一撃に殺意を持って男に叩きつける。
バキバキと、何かを破壊する音が聞こえてくる。その発生源は男の周りにあるナニかだ。トリプルアクセルのまで達したキャシーには、そのナニかの正体が朧気ながら見え始めていた。
ーまさか、ボルトウェポン?
男の周りを囲んでいるのは、ボルトウェポンのそれと同一の物。強度で言えば、カズトのグラディウスを上回るかもしれない。
だが、攻撃してこないのなら攻め続ければ勝機はある。
攻める暇すら与えず、息をする隙すら与えずにラッシュを仕掛けていく。
そして、遂にキャシーはアクセルをトリプルから他に誰も辿り着けない領域、クワトロフルアクセルまで進んだ。
一撃一撃、殺意を込めて叩き込む打撃は、今度こそ確実に男を捉えていた。
そう、思っていた。
「ああ、はいはい。もういいわ。飽きた」
聞こえてきたのは、心の底からどうでもいいというかのような声。
男は、そう言うと、神速の世界にいるはずのキャシーの腕を掴み取った。
そして、その腕が空中に現れた金色の穴より現れた槍に切り落とされた。
一瞬のことで何が起きたかわからなかった。少しの間をおいて、傷口から血が噴き出し激痛が走った。
「ぐ、ああああああああああああ????????」
絶叫を開けながら傷口を抑えようとするが、再び現れた金色の穴がその動きを止める。数は先ほどのそれをはるかに上回るもの。それら全てから別々の形の武器が現れる。剣、槍、斧、鎌など、大小様々な武具がキャシーの体に寸分違わずぶつけられていく。
肉が裂け、骨が砕かれ、命を削っていく。まるで傷つけることを楽しんでいるかのような攻撃に反抗することもできないまま、体の自由を奪われていく。ふんだんに使われる黄金のボルトウェポンは、一つ一つがミサイルのような威力を持っている。それに太刀打ちできるという方が無理な話だ…
そう言えば、他の生徒たちは逃げてくれたのだろうか。せめて、逃げてくれなければ、自分の努力も無駄というものだ。
ー彼だったら……どうしたのかな……
意識が途切れる前に浮かんだのは、優しい笑顔の青
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