Fate/stay night
1192話
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ゃあるまいに。
こちらに向かってくる黒鍵は、その尽くが俺の頭部や心臓といった致命的な場所を狙ってのもの。
この辺もさすがと言うべきだろう。
そんな風に思いながら、ゲイ・ボルクを素早く振るう。
キキキキン、という連続した金属音が周囲に響き、同時に地面へと何本もの黒鍵が叩き落とされた。
「どうした? 確かに黒鍵は使える武器かもしれないが、その黒鍵だけを俺に投げてお前の有益性を現したと言えるのか?」
もし黒鍵を投げるだけの能しかないとしたら、こっちとしても呆れる。
だが、言峰には他の能力もある事を俺は原作知識で知っている。
いや、それどころか、言峰の弟子が凛なのだから、当然これだけで終わる筈がない。
原作ではキャスターをボコボコにした、凛の八極拳。それを教えたのは言峰なのだから。
同時に、第4次聖杯戦争ではアインツベルンの森でその実力も発揮している。
それを思えば、黒鍵以外にもその力はまだ十分過ぎる程にあるだろう。
「では、そうさせて貰おう!」
再び黒鍵を投擲する言峰。
そこまではさっきまでと同様だったが、その次が違った。
一気にこっちのと距離を縮めてきたのだ。
俺の振るうゲイ・ボルクを身を屈めて回避しつつ、更にこちらの間合いを詰めてくる。
そうして繰り出される拳。
真っ直ぐに伸びてきたその拳は、速度も威力も申し分ないように思えた。
実際、俺がその辺の普通の人間だったら、いつの間にか肋骨を砕かれ、心臓を破壊されていてもおかしくないだろう一撃。
だが、今の俺にその程度の攻撃が通じる筈もなく、ゲイ・ボルクの石突きの部分で言峰の顎を下から打ち上げる一撃を繰り出す。
カウンター気味に放たれたその一撃は、だが結局どのようにしてか危機を察知した言峰によって、直撃は回避される。
肉を金属で打つ音と共に吹き飛ばされる言峰。
洞窟の中を何度もバウンドしながら吹き飛んでいく。
……真上に打ち上げるつもりだったのが、咄嗟に身を退いたおかげで後ろに吹き飛んだのか。
その辺の判断力はさすがと言うべきだろう。まともに食らうよりはダメージが少なかった筈だし。
だが……それでも、ダメージは少なかったであって、皆無という訳ではない。
つまり、現状ではかなりのダメージを受けているのは事実な訳だ。
まぁ、半ばアンデッドに近い今の言峰に、そんな感覚があるのかどうかは微妙だが。
だからこそ……
「ほら、行くぞ」
その言葉と共に、地面へと倒れている言峰へと向かってゲイ・ボルクを手にしたまま近づいて行く。
決して油断はしない。
それを向こうも分かっているのか、それとも単純に今気がついたのかは分からないが、そこに放たれる黒鍵。
だが今更そんな攻撃がどうにかなる
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