誓い
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
超フォースメタルの騒動から数十年の年月が過ぎた。
アリアのプログラムのおかげでイレギュラー発生率が大幅に減少し、エックスの長年の夢である人間とレプリロイドが平等で平和に暮らせる理想郷を創ることに専念出来るようになった。
その拠点が、かつてのイレギュラーハンター本部のあった場所である。
エックスにとってここは自分の故郷であり、ルインと初めて会った地だからだ。
エックス「ふう…」
蒼いローブを纏ったエックスがネオ・アルカディアの本部の屋上で夜空を見上げていた。
満月の美しい月明かりにエックスは目を細めた。
同時にエックスの脳裏に今までのことが過ぎる。
イレギュラーハンターとしての人生…。
最強部隊、第17精鋭部隊に配属されながら、イレギュラーの処理に戸惑うなど、ハンターとしてあるまじき事をし、それ故に周囲から白い目で見られて孤立していた自分。
そんな自分の友達になってくれたのがゼロ…そしてルインだった。
いつも悩んでばかりいた自分を励まし、助けてくれた2人。
いつしかゼロとは深い絆で結ばれた親友となり、ルインには好意を抱き、彼女を守りたいとさえ思った。
ルイン「月明かりが綺麗だねエックス」
エックス「ルイン…」
朱いローブを纏ったルインがエックスに微笑みながら、隣に立った。
月明かりに照らされた彼女はとても美しかった。
エックスはルインを少しの間だけ見つめると、夜空を見上げていた。
エックス「あの時もこんな夜だった」
ルイン「え?」
エックス「最初のシグマとの戦いの後も…こんな夜だったんだ。ゼロとルインが大破して乗り手がいない…紅と朱の2台のチェバルが誰にも触られないまま放置されてて、僕はそれを横目で見ながら出掛けた…」
ルイン「うん…」
エックスの声に悲しみはない。
それは昔を懐かしむような声だった。
ルインはエックスに身体を寄せ、肩に頭をもたれさせた。
エックス「シティアーベルの機能は殆ど駄目になっていて、廃墟ばかり目立ってたけど、元の平和が戻ってきたって感じだった。束の間の平和ではあったけれど。でも最初の時は君やゼロがいなくなった喪失感が酷かった…。」
ルイン「ごめんなさい…」
エックスを独りにしてしまったことを後悔する。
あの時のVAVAとの戦いだって、あのような自殺行為をせずともゼロを救出して3人で力を合わせれば退却くらいは出来たはずなのだから。
エックス「あ、僕の方こそごめん…いきなりこんな話をして……でもあの時はこんなことになるなんて思わなかったな………」
ルイン「それって今のこの状況?それとも私との関係?」
エックス「う〜ん、両方かな?あの時は僕が統治者になったり、君とお付き合い出来るようになるとは微塵も思ってなかったしね
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ