真相
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第三者side
「やはりレオンの正体を見破ってくる奴がいたか」
魔水晶ビジョンに映る金髪の少年と紫の髪の青年の姿を見ながらそう呟いたのは、少年のいとこである氷の造形魔導士。彼はビジョンに映るいとこを見上げながら「フッ」と含み笑いを浮かべる。
「ここまでは俺の予定通りだ。問題はここからだ」
銀髪を逆立てた髪型をした切れ長の青年は、少年が映る魔水晶ビジョンが見える位置にある階段へと腰掛ける。周りに敵がいたら即座に攻撃を受けるかもしれないのに、その男は足まで組んでビジョンに釘付けだ。
「お前が過去を乗り越えられるかどうか・・・あとはお前次第だ、レオン」
苦しい表情を浮かべている弟のような存在である少年に対し、そう呟いた。
シリルside
「幻竜破壊!!」
「ぐはっ!!」
グラシアンさんの強烈な蹴りがレオンの脇腹を捉える。レオンはそれを受けながらもなんとか堪えると、両手を合わせ、造形魔法の姿勢に入る。
「アイスメイク・・・・・」
「イルズィオーン」
レオンが魔力を溜めている隙に、グラシアンさんはまたしてもルーファスさんに変身する。
「大槌!!」
「記憶・・・そして忘却」
レオンが巨大な槌でルーファスさんを押し潰そうとしたが、彼の記憶の造形魔法の1つの特徴である忘却によってその槌は水になることすら許されずに消え去ってしまう。
「アイスメイク・・・・・」
「記憶造形・・・」
レオンは今度こそ魔法をぶつけようとすぐに造形魔法の姿勢に入る。ルーファスさんもそれを見るとこみかみに指を当てて造形魔法の体勢を取る。
「燃ユル大地ノ業!!」
「くあっ!!」
レオンの方が先に魔法の体勢に入ったのに、彼よりも早く魔法を発動させるルーファスさん。これがレオンの一番の弱み、造形の速度が遅いゆえに相手が油断や隙を見えてくれないかぎりなかなか攻撃をぶつけることができないのである。
「記憶造形・・・凍エル黒雷ノ剣!!」
グレイさんの氷の記憶とオルガさんの雷の記憶を融合させて作ったと言っていた魔法。2つの属性を彼の能力により融合させ、先の攻撃で膝をついていたレオンを容赦なく襲う。
「ぐああああああ!!」
ルーファスさんの魔法をまともに受けてしまい、地面に背中から落ちるレオン。さっきからずっとこの調子だ。レオンの魔法は発動までに時間がかかる分、グラシアンさんの変幻自在の物真似に簡単に対応されてしまっている。おまけに彼の最初の
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