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第一章
何が流行するか
今の流行りはだ。どういったものかというと。
男はまずだ。髪を茶色に染めてだ。
ズボンは腰ではくローライズ、それにピアスに野球キャップ。上は派手な色と柄のティーシャツだ。またこのファッションが流行っていたのである。
その格好を見てだ。仲村大輔はだ。
クラスメイト達にだ。面白くなさそうに言ったのだった。
「何かな。懐かしいファッションだよな」
「ああ、また流行ってるんだよ」
「このラッパーの格好な」
こうだ。クラスメイト達はそのファッションが載っている雑誌を彼に見せながら話す。今は校内なので彼等も制服だ。しかし黒い詰襟を結構だらしなく着ている。
それは大輔も同じでだ。普通の学生服に所謂ボンタンを結構崩してきている。
ただし髪は黒く普通だ。ただ伸ばしているだけだ。
その彼がだ。こう言うのだった。
「俺な。そういう格好な」
「嫌いか?」
「駄目っていうんだな」
「もっといい格好ないのかね」
大輔は不満を露わにして言った。その細長い顔で。
「渋くて決まってるな。そういうのな」
「何かどの雑誌もこうした格好だよな」
「ああ、今はな」
一旦流行になるとだ。どうしてもだ。
雑誌は何処も流行の格好ばかりになる。それでだ。
今はどの雑誌もラッパーの格好ばかりだった。しかしなのだ。
大輔はその格好が気に入らずだ。それでなのだ。
不満を露わにしてだ。彼はクラスメイト達に言った。
「他の格好あるだろ。何かな」
「って言われてもどの雑誌もこうだぜ」
「何処もラッパーファッションばかりだぜ」
「ジーンズにピアス」
「それに野球帽な」
「他の格好探すぜ」
大輔は言った。
「何か他のな」
「っていっても色々な格好あるけれどな」
「具体的にはどんな格好なんだよ」
「貴族の格好になるか?ヨーロッパの」
「それか歌舞伎か?」
「おい、どっちもそれで外歩けないだろ」
そういった派手を超えた格好にはだ。大輔は引きながら返した。
「だからそういうのじゃなくてな」
「他の格好かよ」
「また別の」
「ああ、それが何かってのはまだわからないけれどな」
しかしそえでもだとだ。大輔は真面目な顔で述べる。
「俺は絶対に見つけてな」
「それを着こなすか」
「そうするんだな」
「楽しみにしておいてくれな」
その黒髪を前から後ろにかき流してだ。そのうえでだ。大輔は見得を切る様に言った。そうしてだった。
彼はその日からあらゆるファッション雑誌を読みブティックを歩き回った。しかしだった。
どれもラップだったり彼の目指すものではなかった。あるブティックでだ。彼は店員に言った。
「何かさ。ガツーーン
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