4部分:第四章
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第四章
高校には色々な事情や考えで自由に加わらなかった僅かな生徒だけが残った。その彼等ががらんとなった校内で呆然として言い合う。
「何でこうなったんだ」
「どうしてなんだ?あんなに皆自由だって騒いでたのに」
「それで皆捕まるって」
「何でなんだ」
「無法と自由は違う」
ここでだ。あの先生が呆然となっていた彼等に言った。
「自由はあるがそれでもだ」
「ルールがあるんですか?」
「それが」
「そうだ。これでこのことがわかったな」
先生は厳しい声で彼等に問うた。
「自由とはどういったものか」
「自由と無法は違うんですか」
「何でもしていいって訳じゃないんですね」
「他人に迷惑をかけるな。常識は備えておけ」
彼は言っていく。
「そういうことだ」
「そえで警察に連れて行かれた連中ですけれど」
「どうなるんでしょうか」
「そのうち戻る」
退学やそうした最悪の処罰はないというのだ。
「だが連中も警察で教えられる」
「自由は何もしていいことじゃない」
「そのことがですか」
「そういうことだ。これでよくな」
程なくしてだ。その連行された彼等も戻って来た。そのうえで万引きした品物や壊したものの弁償をさせられ落書きを消させさせられた。その中にはだ。
生徒会長もいた。彼も茫然自失とした顔で言うのだった。壁の落書きを消しながら。
「自由って何だったんだ」
「人に迷惑をかけず自分で責任ある行動を取ることだ」
それだとだ。先生は彼にも話した。
「そういうことだ」
こう言いながらだ。先生も壁の落書きを消していた。大きなブラシでこすりながら。
「責任の話はしたな」
「はい、確かに」
「こういうことだ。これで済んでいいと思え」
「逮捕されるよりはですか」
「そうだ。逮捕されて少年院に送られたらこれどころじゃないぞ」
こう生徒会長に言うのだった。
「よくわかったな」
「ええ、本当に」
生徒会長は青菜に塩といった面持ちだった。そうした顔をでの言葉だった。自由には何が伴うのか、そのことがよくわかったのだった。
完全な自由 完
2011・10・2
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