第四章
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先生は彼にだ、こう言った。
「リーダーホーゼンはうちの部活の服だけれど」
「民族衣装がですね」
「それは理由があるんだ」
「長ズボンだとですね」
「山登りに邪魔だからね」
「だからなんですね」
「あの服はあえてなんだ」
それこそというのだ。
「ズボンの裾のところを切ってね」
「膝までの短さにしているんですね」
「そうしているんだ」
「山を登る為にですか」
「そうなんだよ、バイエルンのこの辺りやスイスは山が多いからね」
その山の中を移動することが多いからだというのだ、ひいては。
「リーダーホーゼンが出来てね」
「僕達もですね」
「あの服なんだ」
「そういうことですね」
「春や夏はね」
この季節はというのだ。
「寒い時期は流石に長ズボンだけれど」
「わかりました」
「これで納得したかな」
先生はオットーがリーダーホーゼンだけはどうにもということを知っていたのでだ、ここで彼に少し笑って尋ねた。
「君も」
「はい、わかりました」
「それならいいよ」
笑顔で応えた先生だたt、そして。
オットーはリーダーホーゼンについて文句を言うことも不満に思うこともなかった。それでその服で山を登って共にいるヴィルヘルムに言った。
「かえってこの服の方がね」
「よくなったんだね」
「うん、そうなったよ」
実際にというのだ。
「快適だよ」
「僕達がこの服を着ることにも理由があって」
「納得もしたよ」
「それは何よりだね」
「それじゃあ今日もね」
「こうしてだね」
「山を登って」
その山登りを心から楽しんでいる顔での言葉だ。
「そしてね」
「楽しく行こうね」
「そうしようね」
こう二人で言ってだ、そしてだった。
部活仲間達と一緒に山を進む、遠くにはバイエルンの上が白くなった青い山々が見える、オットーはその山を見つつヴィルヘルムに尋ねた。
「あの山はアルプスだね」
「そうだよ」
「そしてその向こうにはね」
「イタリアだね」
「去年行ったよ、イタリア」
笑って言うオットーだった。
「いい国だったよ」
「僕も去年行ったよ、あの国はね」
「いい国だよね」
「本当にね」
こう笑顔で言うのだった。
「また行きたいね」
「あの国にもね」
「イタリアはいい国だよ」
二人の傍にいた先生も言ってきた。
「私も毎年行っているよ」
「あっ、そうなんですか」
「先生もですか」
「あんないい国はないよ」
それこそという口調だった。
「あの国にまた行って」
「そして楽しまれるんですね」
「あの国も」
「山もいいけれどイタリアもいい」
この国もというのだ。
「あの国も是非楽しむべきだ」
「はい、そうします」
「あの国も」
二人も頷いた、
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