容赦のない男
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もお嬢に言われた時はそう思ってたからな」
どうやらグラシアンさんも俺たちと同じことを考えていたらしい。お嬢ってミネルバさんのことだろうし、彼女なりにはレオンがそれと言われる理由に何か確信でもあったのだろうか?
「だが話を聞いて納得もした。レオンが氷の神であるという理由に」
グラシアンさんはそう言うとレオンの方を指さす。
「理由その1、黒い氷を使うこと」
レオンの造形魔法はグレイさんの水色の氷とリオンさんの薄緑色と違い、黒い氷を使用している。今まで見てきた滅神魔導士はみんな黒いその属性の魔法を使っているのはよく知っている。だけど、それだけで滅神魔法を使えると断定するのは無理矢理すぎじゃないだろうか?
「氷が黒いからって滅神魔導士とは限らないじゃん!!」
ソフィアがそう言う。それに対しグラシアンは更なる見解を述べる。
「3日目のMPFでこいつが使った氷の色、覚えてるだろ?」
3日目に俺とエルザさんが伏魔殿を完全制圧したせいで他のギルドに順位をつけるために行われたMPF。魔力の大きさを測定する機械を用いての競技ということらしいけど、その時のレオンの氷と言われても眠ってた俺にはさっぱりわからない。
「赤色だったね」
「だろ?つまりレオンが造形魔法をする時の氷の色は“赤”なんだよ。だが何かが混ざっているために普段の造形が黒くなっているんだ」
まぁ、なんであの時赤色の氷を使ったかは知らないがな、と付け加えるグラシアンさん。そこまで言うと彼は指を2本立てて次の理由を言う。
「2つ目、噂が流れ始めた時期とお前がギルドに加入した時期が重なること」
フィオーレ全土に名を轟かせるほどのすごい魔導士となれば加入したと同時に話題になるのは一般論として正しいと思う。俺はいつ頃その噂が流れたかは知らないけど、その時期にギルドに加入した人がいるならその人が有力候補として上がるのはよくわかる。
グラシアンさんの言葉にここは誰も反論することなく、すんなりと話が進み、先と同じように指を3本立ててグラシアンさんはレオンを見据える。
「それで最後、お前が造形魔導士としての重大な欠陥を抱えているのにこの大魔闘演舞に・・・昨年まで2位にチームを導いてきたシェリーなどのメンバーを押さえて出場していることだ」
レオンはこの大会が初出場なのは今までの話でみんなわかっていると思う。確かに造形の速度が遅く、さらにはバランスが悪いという弱点を持っているレオンが出場しているのは普通に考えるとおかしい。
MPFで4000点代を出したパワーを差し引いても彼がいい魔導士であることはわかるんだけど、弱点が露呈した時点でメンバーを入れ換え
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