容赦のない男
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分たちの仲間が戦っている映像を見ながら、その試合にも意識を向けることにした。
シリルside
「氷の神・・・」
俺は全く聞いたこともない単語に?マークを頭に浮かせているしかない。俺がそうやって頭を抱えていると、隣で捕まっているソフィアが何かを思い出したように手をポンッと叩いた。
「そうだ!!氷の神だ!!」
「知ってるの?」
聞き覚えがあるらしいソフィアに問いかける。ソフィアは俺の方に顔を向けて説明してくれる。
「1年前にね、難しい依頼を次々に達成している魔導士がいるって噂が流れたの。その人に依頼を出す時は『氷の神』って記載しなきゃいけないっていう都市伝説みたいなのがあったから、もしかしてそれかなって」
ソフィアも確証があるわけではないようで、ただこれくらいしか他に思い当たる節がないらしく、もしかしたらと思って話してくれたようだ。
「難しい依頼ってS級クエストのことだよね?」
「もちろんそれもあるけど・・・10年クエストとか、一部の噂だと100年クエストも成功させた、とか色々な話が流れてたよ」
「100年クエスト!?」
俺はそれを聞いて驚き以外の感情がどこかにふっとんでしまう。100年クエストって7年前にギルダーツさんが失敗したクエストのことだよな?あんなに強い人が3年かけても成功できずに帰ってきてしまうような依頼を・・・レオンが達成したっていうのか?
「100年クエストはやってないよ。俺がやったのは10年クエストまで。まぁ、そんな昔のことあんま覚えてないけど」
レオンは俺たちの会話が聞こえていたらしく、いつも通り飄々とした表情でそう答える。でも今、レオンは否定することが全くなかった。つまり、難しい依頼を次々に成功させたというのは事実ということなのだろう。
「なんで氷の神なの?」
「どこからか流れた噂で『氷の滅神魔法を使う』っていうのがあったから、みんなその話を真に受けて“氷の神”って呼んでたんだよ」
滅神魔法ってことはシェリアと同じ魔法を操っているってことか。
「あれ?でもそれだとおかしいよね?」
「シリルちゃんもやっぱり気付いた?」
ソフィアと俺と同じことを思っていたらしく、グラシアンさんがレオンを氷の神と言ったことのおかしい部分を挙げる。
「「レオン氷の造形魔導士じゃん!!」」
レオンは氷の魔導士ではあるが決して滅神魔導士ではない。彼のいとこのリオンさんとうちのグレイさんと同じ造形魔導士だ。もっとも、レオンは動の造形と静の造形ができるんだけどね。
「そうだな。それでレオンを“氷の神”というのは間違っていると思うだろ。俺
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