容赦のない男
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かったようである。
「10年クエストを何件も!?」
「そんなことできるの!?」
「僕たちもそんなのウソだと思ってたよ。それにその噂が出回った期間はほんの1、2ヶ月。誰かが面白おかしくそんな話をしていたんだと思うよ」
アルザックは冷静な口調でそう話す。他にもビスカやマックスといったメンバーたちは彼に同意見のようで、それは単なる噂で真実ではないと思っているようである。
「それで?なぜそれがグラシアンがいった“氷の神”に繋がるんじゃ?」
マカロフはなぜ『とんでもない魔導士がいる』という噂が先程のグラシアンの発言に通じるのかさっぱりわからない様子でマカオに質問をぶつける。
「その魔導士っていうのが自分の名前と所属ギルドを公表してなかったんだ。だからそいつを依頼で指名する時は必ずこう記載しなきゃいけないらしい。『氷の滅神魔導士』もしくは『氷の神』ってな」
「氷の滅神魔導士・・・」
7年前に天狼島を襲撃した悪魔の心臓に所属していた魔導士ザンクロウ、この大魔闘演舞でウェンディと仲良くなったシェリア、そして現在ラクサスと戦闘中の剣咬の虎のオルガ。彼らが今の段階で明らかになっている滅神魔導士と呼ばれるものたちである。この3人はそれぞれ炎、天空、雷の属性を操る、神を滅するために作られた滅竜魔法よりも協力な魔法。
「でもあのレオンって、確かグレイと同じ氷の造形魔法を使うのよね?」
「それのどこが氷の滅神魔法になるんだよ」
エバーグリーンとビッグスローのいう通り、レオンは滅神魔法など一切使用していない。使っているのは重大な欠陥を抱えた造形魔法のみ。
「そこだよ。それがどうにもわからねぇ」
「もしレオンが1年前に大陸に名を轟かせた氷の神なら、それを使わないわけはねぇからな」
マカオとワカバもいまいちピンと来ていないようで、歯切れが悪い。
「どう思いますかな?初代」
マカロフは妖精軍師と呼ばれ、様々な魔法の知識を幅広く持っている初代マスターメイビスに話を振る。
「わかりません。ですが、あのレオンという少年の魔力。シェリアにもリオンにも似た何かを感じてはいます。ただそれがどういうことなのかは私にもわかりません」
メイビスもレオンが氷の滅神魔法を扱う魔導士なのかわからないようで、自分の感じたものを話すのが精一杯である。
「そうですか・・・」
「今は見届けるしかないようですね。この戦いが終わらないことには、シリルが動くことができませんから」
グラシアンがレオンと戦う上で邪魔をされないために異空間へと閉じ込められてしまったシリルとソフィア。妖精の尻尾の全員は自
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