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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 5
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 想像していた以上に、反応が可愛らしい。
 やはり、こういうところはしっかり『女の子』だ。

「考え直せ! 今なら人生、やり直しは利くぞ? な!?」

 私はいったい、どこの自殺志願者なのでしょうか。
 いえ、まあ……
 第三者から見れば、実際そんな感じなのかも知れませんけど。

「私にはやり直す時間なんてありませんよ。レゾネクトにも言いましたが、後悔はしたくないんですよね」

 ビキッと固まって。
 あ、少し冷えたかな?
 ロザリアの顔色が元に戻った。

「お前……ズルい。長くは一緒に居られないって判ってるくせに、それでも私を縛るとか。一緒に居る間は良いとしても、その後はどうするんだよ! 私を放ったらかしにして先に逝くんだろ!? そういうのを本当の無責任って言うんじゃないのかよ!」
「人間、いつかは死ぬものです。それがいつなのかは誰にも分からないし、決められない。健康な人間でも、殺人や事故などの外因で突然死ぬ可能性が常に寄り添っている。だからこそ、刹那触れ合った絆と共に不確定な未来を歩みたいと願うのです。ごく自然な流れだと思いますが?」
「お前はもう決まってるじゃないか! 自分で決めたんじゃないか!」
「はい。残り少ないからこそ、そのすべてを貴女との時間に使いたいです。触るなと言うなら一切触りません。旅を望むのならばどこまでも。教会には戻れませんが、心穏やかな生活をご希望でしたら、二人で一緒に住める家を探します。ですから、私の最後までは、一緒に居てください」

 ロザリアの頬に涙がとめどなく溢れては滑り落ちる。
 非道なことを言っているのは承知しています。
 でも、これが私にできる償いであり……どうしようもない、わがままだ。

「……約束だなんだとか言って、結局、自分のことしか考えてないんだろ、この卑怯者! 最低バカ男! 誰が結婚なんかするか、アホ! もういい。お前は、私の奴隷として生きて死ね!」
「奴隷ですか?」
「一生私の傍に居て、笑って、飯を作って、遊んで、くだらない話をして、それから死ね!」
「え、と。それは、籍に名前を連ねるか、連ねないかの違いですよね?」
「お前ごときに、私の名前の隣は勿体ない!」
「それは残念」
「うっさい! バカ!!」

 自分が名前を付けた少女は、両手でポカポカと自分の肩を叩きに叩いて。
 首を絞めるつもりかと思うほど強く腕を回し、大声で泣いた。
 自分も彼女の背中を抱きしめて、柔らかな髪をそっと撫でる。

「お帰りなさい、ロザリア」

 ある日、教会から突然消えてしまった少女。
 私が私から逃げたせいで深く傷付けてしまった、誰より愛しい女性(ひと)
 もう二度と自分の気持ちから、貴女と向き合うことから逃げたりしない。
 今度こ
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