05.姉ちゃんの声
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「シュウくん!! ぐっもーにーん!!」
翌朝、僕は金剛さんの超絶に元気なモーニングコールで起床した。金剛さんは姉ちゃんの姉だからなのか部屋の合鍵を持っており、その鍵で僕が寝ている間に侵入され、モーニングコールとともに掛け布団をひっぺがされたのだ。
「いやー、比叡をいつもあんな感じで起こしてるから、シュウくんもそれでいいかなーと思ったんデス。歯磨きをしに洗面所に行くデスヨー」
ケラケラと人懐っこい笑顔を浮かべながらそう話す金剛さんから歯ブラシをもらい、共用の洗面所で一緒に歯を磨く。しかし、見事なほどに女の子ばっかりだな……中には小学生みたいな子もいる。
「ちゃんと三分磨かなきゃダメよ響〜。 しゃこしゃこ」
「ダー。しゃこしゃこ」
「むぐむぐ……ごぱぁ。暁ちゃん……歯ブラシが落っこちそうなのです……」
「私は……眠くなんか……ないわよ。だって……いちにん……まえの……クカー」
四人組のちっちゃい子のうちの一人が、そう呟きながら歯磨きの途中で寝ていたのが印象的だった。昨晩ここに到着してすぐに遭遇した天龍さんや龍田さんのように、個性的な女の子が多いんだなぁ。さすがゲームの中の世界。
とはいえ、こんな小さな子たちが過酷な戦場に出ているのかと思うと、複雑な気持ちではある。こんな小さな子でも、あんな凄惨な戦いをせざるを得ないんだよな……この世界は。
「むぐむぐ……ごぱぁ。歯磨きが終わったらブレックファーストデース。榛名と霧島が先に食堂で待ってると思いマスヨー!」
「ふぉぁーいっ。しゃこしゃこ」
食堂に行くと、金剛さんが言っていた通り榛名さんと霧島さんが席を取って待ってくれていた。
「シュウくんはじめまして。私は榛名です」
「霧島です。シュウくんには一度お会いしたいと思ってました」
二人からそう言われて照れくささを感じながら、僕は3人を見比べる。姉ちゃん含めて4人とも全然違うタイプの人なんだけど、4人ともどことなーく似てるんだよね。
「ほわっつ? どうしたんデース?」
「いや、みんなやっぱり姉ちゃんの姉妹なんだなーと思って。どことなく似てるなーって」
「当たり前デース! 比叡は私のカワイイ妹デスからネー!」
「はい! とても頼りになるお姉様です!」
「そうですね。比叡お姉様は、私達の誇れる姉です」
……あれ? てことは、ここにいるみんな、僕の姉になるのか?
「デュフフフフ……これはいい事を聞いたデース。比叡が聞いたらヤキモチを焼くデスネ。戻ってきたらイヤーホールをディグらせてよく聞かせなければならないデス!」
金剛さんがご飯を頬張りながらほくそ笑んでいる。僕は何か余計な一言を言ってしまったのかもしれない……。
「大丈夫です。いつものことですよ」
「はい
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