05.姉ちゃんの声
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! 榛名も弟が出来るとうれしいです!!」
榛名さんは朗らかな笑顔でそういい、霧島さんはメガネを光らせながら味噌汁を飲んでいた。よかった。なら気にしなくてもいいのかな?
そうこうしているうちに、岸田と提督も食堂にやってきた。昨日は大淀さんに存分に罵られたためか、二人とも、睡眠不足の目の下のクマとは裏腹に、非常に顔がツヤツヤしている。二人は朝食が乗ったお盆を両手で持ち、僕達の席に向かってきた。
「おはよーシュウ」
「岸田おはよ。昨日はどうだった?」
「シュウ……よかったぞ……罵倒というのはいいものだ……あぁ……」
「だろう? 大淀の罵倒が毎日聞けるおれは、幸せ者だ……あぁ……」
ダメだ。岸田一人でさえ手が付けられない変態だというのに、提督も合わさってブーストがかかってる……岸田の友人として止めた方がいいのかなぁ……。
なんてことを思っていたら、鎮守府内に放送が鳴り響いた。
『提督と岸田様は大至急、執務室にお戻り下さい。繰り返します。提督と岸田様は、大至急、執務室にお戻り下さい』
直後、岸田と提督は白目を向いてビクンビクンと痙攣を始めた。もはや出来の悪いホラー映画に出てくるゾンビにしか見えない。主に下半身から挙動が崩れている。
「また……また天国タイムが始まるのか……!!」
「素晴らしい……なぁ提督、ここは極楽浄土なのかなぁ……探せば五代目三遊亭円楽がいたりしないかなぁここ」
「円楽師匠はいないが、極楽だというのは同感だ……」
そう言いながら、うつろな目で朝食を載せたお盆を持ったまま、フラフラと食堂を出て行くゾンビ二人。その後ろ姿を見守りながら。金剛さんが呟いた。
「なんかテートクが二人いるみたいデ〜ス」
同感だ。タチの悪い変態が二人もいる……昨日は甲殻類でしかなかった二人だったが、今日はまさか歩く死体にまで落ちぶれるとは思わなかった……
その後は興味津々になっていた他の艦娘たちから質問攻めにあいながら、鳳翔さんが作ってくれたとても美味しい朝食に舌鼓をうった。『今日は特別サービスだよっ』と瑞鳳さんが作ってくれた玉子焼きも美味しかったが……
「正直に言っていいよ? お姉さん怒らないから」
「比叡姉ちゃんの作った玉子焼きの方が……好きデース……」
「シュウくんは比叡さんがホント好きなんだね〜」
「シュウくん、やはりワタシとも姉弟のようデスネ!!」
とかなり恥ずかしい思いをしてしまった。違うんだッ! 瑞鳳さんの玉子焼きも美味しいんだけど、僕は玉子焼きはしょっぱい派なんだッ! 瑞鳳さんの玉子焼きは甘いんだッ!!
その後は金剛さんたちに連れられて鎮守府を色々と歩き回っていたのだが、ちょうど夕張さんから艤装に関する熱いレクチャーを受けている最中、鎮守府内に
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