第3章 リーザス陥落
第76話 ホッホ峡の決戦X
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、威力はそこまではない。……威力を落とさず、この遠間を狙うんだから、精度と密度に力を集中させてるんだろう。……あの程度、訳はない」
ユーリは、そう言うと剣に力を。……煉獄を込めた。
確かに、ユーリに魔法は効きにくい事は、志津香は知っている。あの時の黒色破壊光線も彼は防ぎ切ったのだから。……だが、この暗闇の中で、あれだけの速度で繰り出される。それも複数だから、何発でも打ってくるあの攻撃を何度も防げる訳はないだろう。と思ってしまったのだ。
「ゆぅ! だ、だめっっ!!」
「志津香」
「っ……」
ユーリの声を訊いて、志津香は黙ってしまう。優しい、あの声を訊いたら。
「……任せろ。オレを、信じてくれ」
そう、言われたのだ。
そして、数秒後に、また丘の方から、魔力の光が見える。赤、青、黄、と複合されゆく魔力を確認できた。
「皆、目を瞑れ……!!」
ユーリがそう叫ぶ。
こんな時に、なぜ目を? とも思えたが、反射的に全員が目をつむった。
その瞬間に、目を瞑っていると言うのに、目も眩む閃光が瞼を通して網膜に伝わった。
「煉獄・天照!」
ユーリの剣より、放たれた光。それは、闇夜に瞬く星よりも輝きを放ち、この場を照らした。
その閃光は、三使徒の所にも当然届いていた。
突然、光を放った事で、相手側も魔法を放ってくるのか? と思えたガーネットは一時、詠唱を中断して、その光源に注目した。
「あ、あああ!! あいつ、あいつはぁぁぁ!!!!」
その光がなんなのか、その光源には誰がいるのか、それを理解した途端に、怒声を上げた。
「が、ガーネット、どうした、と言うんですか?」
サファイアが驚き、ガーネットの方を見ると、そこには、明らかに怒りだけで満ちたガーネットがいた。
「こ、ここで会ったが100年目だ!! コテンパンにしてやる!!」
「落ち着きなさいよー。あってないじゃん? 実際の所」
「う、うるさい!! 僕はあいつにひどい目に合わされたんだ!! 目標、変更だよ!! 標的は、あいつ! 戦車から、あいつに変更!!」
「あーあ。ま、次はあんただから、別に良いけど。……標的、大分小さくなったねぇ。当てられるの〜?」
「当てる!! ぜーーーったい!!」
怒りだけで前が見えていない様子だ、と思えたサファイアだった。
だが、そこまで……この最強の魔法を使わなければ倒せない相手なのか? ともおもってしまう。この魔法は、あの一番厄介とされる戦車の排除を優先する為のモノだ。だが、なんの躊躇もなく、ガーネットは標的を変えた。……ただ怒りだけで、とは限らない。それを使わなければならない。……あの戦車以上に厄介な
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