第3章 リーザス陥落
第76話 ホッホ峡の決戦X
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に集まっていき、黒い一つの魔力の固まりになっていく。
「魔力、融合………!」
「K型スクエア、コンバイン………リチュアル、キャストスタンバイ……!!」
完全に、準備が整いこの暗闇よりも濃い、暗黒の魔力の塊を生成した所で、トパーズが陽気な声を上げた。
「じゃ、今度は私ね。 黒色―――破壊光線!!!!」
漆黒の空を切り裂いて、暗黒の。……漆黒の魔力が撃ち放たれた。
その攻撃の威力もそうだが、速度も以上だ。正確極まりない弾道は、チューリップを捉えていた。
「あ、っ……! う、うわああっっっ!!」
香澄の叫び声と共に、再びチューリップが揺れる。今まで以上に。
「きゃーーーーっ!? チューリップがっ!!」
打ち込まれたのは、一番装甲の硬い正面。砲撃の衝撃にも備える様に、と硬く作られた筈なのだが、それでも 異常なまでの攻撃力だった。
「香澄!!」
「だ、大丈夫、です……。ですが、キャタピラ、部分を、やられました。……駆動系に、ダメージが大きいですが、まだ、自走は……」
「っ! か、香澄、チューリップから、降りて!」
「だ、だめです。今離れたら、完全に、孤立。破壊されるのを待つだけです……!」
必死にチューリップを動かし、あの攻撃の前では、頼りにならないだろうが、岩陰へと移動をさせていた。
「なにあれ……! 黒色破壊光線、って言ったって……見えないような所から、この威力で……!?」
黒色破壊光線については、マリアもよく知っている。……かつて、見た事があるのだから。だが、それは 見えない位置から打てる様なものじゃない。ちゃんと、相手を視認して、放つモノだった筈だった。だが、これは違うのだ。
「……魔力融合、か」
「ええ、K式の、黒色破壊光線。副数人で、儀式をして、撃ってきているんだわ」
撃ってきた方角は判った。3度も見せられれば、十分だ。
「マリア、志津香。……離れてろ。香澄は、チューリップを可能な限り早く後退させろ」
「っっ! ゆぅ!? な、何言って、何してるのよ!」
ユーリは、ゆっくりと剣を鞘から引き抜くと、前へと出た。
完全に姿を晒す形。隠れ蓑の無い場所へと向かって。
「黒色破壊光線、か。随分と久しいモノを見て、あの時の憎悪が蘇ってきた気分だ」
ユーリが思い出すのは、やはり あの時の事。……ラギシスの黒色破壊光線だった。志津香を傷つけ、そして 両親を死なせる切欠となった男のモノだ。
「ゆ、ユーリさん!?」
「危険すぎます! 下がってください!!」
マリアも、香澄も止めようとするが、ユーリは首を振った。
「確かに、黒色破壊光線なのは間違いない、が。あの時のと比べたら
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