第3章 リーザス陥落
第76話 ホッホ峡の決戦X
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がいなかったら、危なかった。ユーリを失うかもしれなかった。………勿論、自分達も一緒に。でも、ユーリがいなかったら? 考えただけでも怖い。……二度と離したくないんだから。でも、ランスは最悪。……でも、助けてくれた事実。
色々な事が混ざり合って、その行き場のない苛立ちににた何かを、八つ当たりするかの様に、ヘルマン軍に撃ちはなったのだ。
「……志津香?」
「肩に力を入れすぎだ。少し落ち着け」
「うっさいわね! ……あいつは最低、あいつの話を聞くと不快なだけよ。それだけ判ってればいいの。……心入れ替えて行動する、っていうんなら、考えなくもないわ」
「ん……、それは難しいな。志津香も言ってただろ? 因果律を覆すよりも、って」
「……だねぇ。ランスだもん」
最終的にそう言う話で落ち着いた。マリアは、ランスの事を気にかけているのだが、その部分は認めているのだろうか、不快な顔はみせなかった。……今ごろ、くしゃみをしている姿が容易に頭をよぎる。
「そんな事より、戦車は大丈夫なの? もし動かなくなったら、正直きついわよ」
「まぁ、攻撃の5割以上は占めているからな」
「あ、……香澄、どう?」
マリアが、チューリップ内部を覗き込んで、香澄に尋ねると、直ぐに返事が帰ってきた。
「順調です。燃料、弾薬、駆動系も好調。ユーリさんや志津香さん達が攻撃をしてくれているおかげで、大分温存も出来ています。このまま………」
香澄が説明をしていたその瞬間、だった。
ばっしゅうぅぅぅぅっ………と言う風をけたましい音を立てて、何かが近づいてきた。
「え…………?」
飛来してきた何か。それが到達するその瞬間だ。
「志津香っ!!!」
逸早く察したユーリが、志津香を抱きしめ、後方へと飛んだ。
「なっ、なにっ!!? っっ!!!!」
志津香も、ユーリに抱きしめられた事に動転しそうだったが、突如、飛来する何かが、目の前の空間を、兵士ごと吹き飛ばしたのを見て、そちらに目を奪われた。
「マリア!! チューリップから、降りろ! 吹き飛ばされるぞ!! 香澄、衝撃に備えろ!!」
ユーリの怒号が、場の空間を揺らせたその瞬間だった。再び、あのけたましい音が響いたかと思えば、チューリップ3号の足元に着弾し、大きくチューリップを揺らせた。
それは、レッドの街での爆撃の比じゃない。直撃していれば、粉々になったとしても不思議ではない程のモノだった。
「っ!!?」
「きゃああああっっ!!」
マリアは、反射的に飛んだが、それでも飛び降りるのが遅れてしまい、衝撃を受けてしまった。そして、香澄も相当な衝撃に襲われたのだろう。思わず悲鳴を上げていた。
「ちっ!!」
ユーリは、志津香を解放
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