第3章 リーザス陥落
第76話 ホッホ峡の決戦X
[6/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そこまでの苦戦は無く 進行出来ていた。
「いっけーーー! チューリップっっ!!」
やはり、その立役者は チューリップ3号だろう。敵の接近をほとんど許さない砲撃故に、たどり着く事だけでも至難の業なのだ。……更に、その鬼門を超えた所で、本当の地獄が待っている。無慈悲なる炎と剣閃だ。それらを掻い潜って、たどり着ける者など もうほとんどいなかった。
「……敵が減ってきたわね。上からの弓の援護もあるけど……」
「だな。……随分と暇になってきたものだ。……後でランスに色々と言われそうなのが、面倒だな」
「……そんな事言ってきたら、火炙りにするわよ」
有りそうなユーリの話を訊いた志津香は、嫌な笑みを浮かべていた。
その間ににも、マリアの砲撃に併走しながら、志津香の魔法、ユーリの遠距離の斬撃で、敵を蹴散らしていく。
「あはは、ランスの作戦、上手くいっちゃったみたいね……、才能、あったのかな……?」
「さぁ。悪知恵が働くのは前からじゃない。人の嫌がる事は直ぐに見つけるし」
「……だな。だが、それは勝負事で勝つ鉄則だ。相手の嫌がる事をし続けるのは。自分が優位に立ち続ける事に関しては、天才的だと言える」
「……それ、持ち上げすぎな気もするんだけど、納得も出来るわね。つまり、最低だから」
「あ、あははは……辛辣なんだから、志津香は」
軽い談笑が続けられる程、安定した戦いが出来ているのも、バレス達の弓による援護、チューリップ部隊の攻撃のおかげだろう。
「だが、カスタムの時だってそうだろう? 志津香。……確かに、最低だと言うのは否定はしない、が。それでも あいつに救われた事は否めない、……だろ?」
「それもそうだね。なんのかんので、あの時の無理難題を突破しちゃったし。でもさ〜、それって、ユーリさんにも言える事なんだよ?? あの時のランスがいなくても、危なかったし、ユーリさんがいなかったら、もっと危なかった、って思えるし!」
「ん……。まぁ オレも必死、だったから……」
少なからず、照れがあるのだろうか、少しそっけない感じだった。だが、それも何処か面白い。
「……………」
無言で、話を聞いていた志津香は、魔法を放つ。そして、志津香の空いた手が、きゅっと握られる。
あの時、かつてカスタムで起こった事件。
自分の人生の中でも最大級の分岐点だった。……そして、悪夢と共に、得た掛け替えのないものだってある。
そして、その根源の1つを、横にいるユーリと一緒に打破した。……確かに、あの時 ランスもいたし、本当に危ない時 不意打ちとは言え、助けてくれた。……だが。
「ふんっ! 火爆破!!」
「ぎゃああああ!!!」
胸の中の色々のモノが混ざり合う。……あの時、ランス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ