原作開始
クラス代表決定戦
おばあちゃんが言っていた……ひとっ走り付き合えよ
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イミングでソレを聴いたらダメだ。返事をしちゃうからな。そしたら、この後試合どころじゃなくなる。集中出来なくなる自信がある。だから、」
「だから?」
「試合が終わった後、俺達の部屋でゆっくり話をしよう。あそこは俺達のプライベート空間だ。誰にも邪魔されることはないからな。俺、楽しみは最後に取っておく派なんだよ」
「そっか……うん、分かった」
俺は依然として抱きついたままの簪の背中をあやすように叩く。
「だからさ、ちゃんと試合見に来てくれよ?」
「うん。最初から行くつもりだったけど、絶対に行かなきゃいけない理由が出来ちゃった」
簪は俺から離れると、手を握り言った。
「ちゃんと勝ってね、彼方」
「任せろ、俺にも負けられない理由が出来たからな」
「うん、信じてるね。それじゃあ私、先にアリーナに行ってるから」
「ああ、いってらっしゃい」
簪が走り去っていく。さて、俺も控え室に行こう。とりあえずこの浮き足立った気持ちを鎮めねば……
「うわぁ、せっかく解放されたからのんびり過ごそうと思ってたのに。やっぱり戦いからは逃げられないのかなぁ。ねえ、彼方」
一連の戦いを陰から見ていた何者かが彼方の名前を呼ぶ。水色と黒の大きな銃をクルクルと回してから虚空へ向ける。
「お宝は渡さないよ、簪ちゃん。次こそ……次こそ負けないわよ、楓」
宣戦布告のように呟くと、その場から離れていく。ふと立ち止まり、彼方が向かっていった方向をじっと見つめた。
「もう嫌って程に休んだよ。私はね、人が傷つくのが嫌だったんじゃない。あなたが傷つくのが嫌だったんだよ、彼方。もう、彼方だけに背負わせないから……今度こそ、私も一緒に戦うから」
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