申し出の理由
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対応せねばならないので、無理せず言ってくださいね?」
「……大丈夫、何もない」
ゆっくりと首を振るグラトニーの反応を受け、トゥアールのニヤけ顔が段々と不安の混ざる思案顔に変わる。
一体何が気に食わず、何がダメだったのだろうか。
『一応言っとくが俺らはエレメリアンだかラナ。 人間基準で “意図的” に体に異常起こそうとしたって無理ダゼ』
ラースが種明かしをしてくれた。
トゥアールはどうも懲りてないらしい。
「な!? ではムラムラして思わず私のおっぱいにしゃぶり付きたくなる、総二様用にも改良し始めた媚薬的超音波が利かないですと!?」
「やっぱりコレ悪様目的だったじゃないのよ! この年中野生的発情期がぁっ!」
「しまった!? つい口が滑って身体も滑るうおおおおおああああぁぁぁ!!」
奇天烈な叫び声と共に、カーリング選手も大絶賛であろう綺麗なフォームで、津辺愛香選手の投げたストーン(銀色)が勢いよく滑って行く。
「痛い痛い痛い痛い床で皮膚が擦れて痛いいいぃぃぃぃぃぃい!!」
苦悶の声を上げる可笑しなストーン(銀色)は、そのまま壁にぶつかって数回転し、バタリと仰向けに寝っ転がった。
言うまでもなくカーリングは、地面に描かれた円形目掛けて放った位置による得点を競う競技なので、これだけ長距離滑走すればまず間違いなく無得点である。
「うふあぁぁぁ〜〜〜……」
律儀なのかやり過ぎなのか、己そっくりな天使を頭の上で飛びまわらせながら、星を飛ばして目を回すトゥアール。
……心なしか、総二へ向けてスカートの中が見える様な、絶妙な位置に居るが気のせいだと言う事にしておこう。
「そう言えばさ。傷はどれぐらいしたら治るんだ?」
『後もう少しってとこダナ。応急処置に回さなかった分の属性力デ、お前らでいう細胞の活性化を行ってるかラヨ』
「はー……やっぱ便利なんだな〜、エレメリアンて」
関心半分、畏怖半分で溜息を吐く総司に、ラースの笑い声が重なる。
『ハハハ! コリャ、俺達だから出来る芸当ダヨ! 同種なら分からねぇがアルティメギルならまず無理ダ!』
そもそもそんな回復機能を備えている敵ならば、今までの敵ですら十二分に驚異となった筈である。
苦もなくとは流石に言い辛いが、普通にお決まりパターンで爆散させる事が出来る分、そんな能力が変態達に備わっているとは考えづらい。
一度考えかけたその可能性は、頭の片隅にでも飛ばした方が良さそうだと、総二も慧理那も見つめあって頷いた。
本人達は真剣なれども、傍から見ればカップルに見えなくもない息の合い様だった。
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