申し出の理由
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ている域まで来ても、やっぱり誰も見向きもしない。
「会長は、如何思う?」
「私も賛成ですわ。何より、志が同じなれど異なる道を歩まねばならない者が……一時とはいえ手を組む! 中々にやる気のたぎるエピソ−ドですわ!」
「ははは……何時も通りだな」
『ケド、もったいぶったモンよりかは何ぼか “マシ” ダゼ……ありがトナ』
「何言ってんだよ。俺達はツインテールというつながりがある! それだけでも十分信じられるってもんだ!」
総二としてはこれ以上ない名台詞を決めたつもりであろうが……周りの反応は非常に『微妙』だった。
トゥアールでさえも、未だ跳ね回りながらやる気なさげな表情をしている。
「……如何反応すればいい?」
『……適当にやっトケ』
「ん、りょーかい……」
ラースから言われたためか適当にそのあたりをスルーし、総二以外の空気が冷え冷えとし始めた……しかし当の本人は気づいていない。
何という胆力だろうか。
そしてグラトニーの目の前に、この空間を支配する寒さによって凍りついたか、白銀なる塊が勢いよく落下してきた。
「私も大いに賛成です! グラトニーちゃんが味方になるなんて、何処まで幸運なんでしょうか私は!」
いや、“ソレ”は元より凍り付いてなどいない……髪が尾を引いた為にそう見えただけらしい、トゥアールだった。
内容はアレなモノの、基地の所有者の賛同も得られ、最後に総二が母へと目線を向ければ、
「フフフ……」
不敵な笑みのままで、意味深にウィンク。
否定はしなかったのだし、寧ろこの母親ならこう言ったイレギュラーを肯定する派だろうと、総二は勝手に了解したと受け取った。
(ただ可否を判断すればいいだけじゃないかよ……! 頼むから、こういう時にまで中二的な仕草をしないでくれよ……)
ウィンクを送られた主な対象であるグラトニーの頬が、本当に気の所為かと思うぐらい若干緩んだ。
されど喜びでというよりは、呆れに近く見える……総二と同じ思いを抱いているに違いない。
「……ありがと」
それでも、グラトニーはちゃんとお礼を言った。
彼等の優しさによりグラトニー達が抱いていた懸念は霧散し、ツインテイルズ+α全員に受け入れられる事となった。
―――そうしてまとまった雰囲気の中、トゥアールが【試作型トゥアヘル】内に寝転がるグラトニーへ、何やら企んでいるのかニヤけ顔のままに声を掛けてきた。
「えー、ところでグラトニーちゃん? 何か異変が起きたりしてませんか?」
「? ……何も」
「ちょっと鼓動が速くなったりとか、身体に熱を持ったりとかがありません? 異常事態があればすぐに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ