氷の神
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・」
顔をボールのように蹴ろうと足を振り上げたソフィア。そんな彼女とグラシアンに人の影が重なる。
「アイスメイク・・・・・大槌!!」
彼女たちの上にいたのは氷の造形魔導士レオン。レオンはすでに大きな槌をほとんど完成させた状態でソフィアたちの真上に入っていたらしく、2人が気づいた時には氷の槌が2人を押し潰していた。
「ひゃっ!!」
「ぐおっ!!」
氷の槌が消えるとそれがあった場所からは地面にめり込んでいるソフィアとグラシアンが現れる。レオンは着地しつつそれを見ると次なる攻撃姿勢に入る。
「アイスメイク・・・・・」
「水竜の鉄拳!!」
一気に2人を片付けようとしたレオンにさっきソフィアから雲竜水を返されて沈みかけていたシリルが小さな拳を放つ。
「どわっ!!」
レオンはその鉄拳に押されて片膝をついてしまう。
「やるじゃん。さすがシリ・・・」
レオンは顔をあげてシリルを褒め称えようとしたが、それよりも今の彼の姿に言葉を失ってしまう。
「どうしたの?」
言葉を発しなくなったレオンの態度に首をかしげるシリル。彼はソフィアの攻撃により服が所々破れており、ニーソの部分なんか水玉模様みたいな穴が至るところに空いていた。
「シリル・・・なんかその格好ヤバイ」
「はぁぁぁ!!?」
バトル中とは思えないレオンの発言を聞いて顔に血管を浮かべるシリル。
「いたたたた」
「やってくれるなぁ、お前ら」
シリルとレオンが服装についての会話をしていた間に地面にめり込んでしまっていたソフィアとグラシアンが傷を押さえながら立ち上がる。
「これ・・・決着つくのか?」
立ち上がった2人を見て疲労感たっぷりの声を出したのは水髪の少年。
この4人は皆似たような戦いになってきている。全員がより多くのポイントを取るために、誰かが相手にトドメを刺そうとすると違う誰かがそれを妨害しては戦闘になるの繰り返し。まったく状況が進展することなく、刻々と時間がすぎ、魔力が消費されていくだけだ。
「くっ・・・くはははははっ!!」
突然大笑いし始めるグラシアン・カイザー。いきなり、それも何も笑うようなことが起きていなかったのにも関わらず笑い始めた彼に動揺し、3人はそちらに視線を集める。
「しょうがない。あまりやりたくなかったけど、これ以上無駄に魔力を消耗するのは得策じゃない」
グラシアンはそう言うと変化を開始する。黒くて長い髪を所々三つ編みにしたりお団子のようにした中華風の衣装を着ている女性。
「妾が相手をしてやろう」
その姿を見たと同時にソフィアの表情が先程よりも怒りに染まっているのがその場にいたシリル、レオン、そしてこの試合の様子を見ていた観客たちにも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ