氷の神
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シリルたちが4人での戦いを繰り広げていたのと時を同じくして、ある建物では4日目の再戦が繰り広げられていた。
ボワァ
影になり姿を隠すローグ。彼は目の前の敵・・・ガジルの背後に回ろうとしていたが、ガジルはそれを読んでおりすぐに体を反転させてローグの方を向く。
ローグは対応されたと判断すると再び影になり、振り向いたガジルのさらに背後を取ることに成功した。
ニヤッ
うまくいったと思ったローグ。しかし、ガジルはそれに気付いていたらしく、彼の腹部に強烈な拳を叩き込む。
「ぐあっ!!」
「おらぁ!!」
ガジルは腕を鉄竜棍へと変化させ、ローグの顔や胴体に次々に打ち込んでいく。
「うおっ!!」
後方へと飛ばされるローグはガジルの力の強さと瞬時の対応能力に驚いていた。
「1日やそこらで力の差は埋まらねぇ。諦めろ」
ガジルはそう言い残し、ローグに背を向けて歩き去ろうとしていく。
ローグはその姿を見て何かを考えると、ガジルにこういい放った。
「お前は・・・ナツ・ドラグニルほどでも・・・ましてやシリル・アデナウアーほどでもない」
ガジルはその言葉を聞くと足を止め、彼の方を向き直る。
「なんだと?」
自分のライバルである火竜のナツに力を劣っていると言われるだけでも屈辱なのに、自分よりも幼いシリルに負けていると言われたガジルは顔に血管を浮かべ、ローグを睨んでいた。
その頃、別の場所では・・・
「やっと会えたな、ラクサス」
黒い雷を体から放出しつつラクサスの前にやって来た薄い緑色の髪をした大柄な男。
「黒い雷か」
「もう気づいてんだろ?俺が雷の滅神魔導士だって」
ラクサスに対してそう言うのは剣咬の虎最強の6人の1人、オルガ・ナナギカ。
「神は殺せても妖精は殺せるかな?」
強敵を前にしてもあくまで冷静な表情で・・・余裕を感じさせる佇まいのラクサス。
「雷の滅神魔導士オルガ、だったな」
「フッフッフッ。俺の名を覚えてくれたのか?ラクサス」
腕を組み見下しながら会話をするラクサスと強敵と出会えたことで嬉しそうな表情を浮かべるオルガ。
「剣咬の虎でデカイ顔してるくらいだ。確かにお前の雷は大したもんかもしれねぇ。だが、所詮は2番手止まりだろうな」
「言ってくれるじゃねぇか。一番はお前だとでも言いたいのか?」
ラクサスはその通りだという感じに口角を上げる。
「上には上がいるもんだ。一辺負けてみるのもいい経験になると思うぜ」
「へっ!!面白れぇ」
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