5部分:第五章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第五章
「おい、よりによってそれかよ」
「一体何考えてるんだよ」
「ハンバーグ定食!?」
「何でそれにしたんだよ」
「ちょっとな」
今は表情を消して彼等に言う隼だった。そのうえだ。
梨香子の席の向かい側、丁度そこには誰もいなかった。
そこに向かう。それを見てだ。仲間達はそれまでの呆れた声からだ。
驚き慌てる声になってだ。彼に言ったのである。
「おい待てよ」
「何処に座るつもりだよ」
「そこは駄目だろ」
「他の席にしろよ」
「いいんだよ」
ここでもだ。こんなことを言う隼だった。そうしてだ。
その席に向かう。そして実際にだ。
その席に座った。その彼にだ。
梨香子は視線をじろりと向けてからだ。こう言ったのである。
「何か用?」
「別にな。ただな」
「ただ。何よ」
「飯食うからな」
これが隼の彼女への言葉だった。そのうえでだ。
テーブルの上にある調味料、それはマヨネーズだった。それを手に取りだ。
彼はだ。それをハンバーグ定食のメインであるハンバーグにかけた。それもたっぷりとだ。
それからだ。彼はそのハンバーグを箸で切り食う。そして言うのだった。
「美味いな」
「やっとわかったのね」
「ああ、美味い」
口の中でそのハンバーグを噛んで味わっての言葉だった。
「いいものだな」
「そうでしょ。美味いでしょ」
「これからはこの食い方もするからな」
こう言ってだった。さらにだ。
定食の他のもの、サラダにスープ、それに御飯も食べる。その彼を見ながらだ。
梨香子もだった。ここでだ。
彼女の食べているハンバーグ、何と彼女もハンバーグ定食だった。それにだ。
テーブルの上にあるケチャップを手に取ってそれをかけて食べる。そのうえでの言葉は。
「美味いな」
「美味いだろ」
「ええ、言うだけはあるわ」
隼の主張を認めるのだった。そしてだ。
彼にだ。こう言ったのである。
「これからはこの食べ方もするから」
「そうするんだな」
「そうよ。それでね」
それでだとだ。梨香子からの言葉だった。
「今度の日曜だけれど」
「その日だな」
「御互いの部活が終わったらね」
それからだとだ。梨香子は隼を見ながら話す。その目はだ。
今はじろりとしたものではない。険の消えた目での言葉だった。
「それから食べに行くから」
「何食うんだよ、それで」
「ハンバーグに決まってるでしょ」
それしかないとだ。梨香子はそのハンバーグを食べながら話す。
「マクドでもモスバーガーでもいいから」
「どっちでもいいんだな」
「ハンバーガーもハンバーグよ」
「まあそれはそうだな」
「じゃあいいわね。日曜よ」
「ああ、わかったさ」
こうしたやり取りからだった。梨
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ