五話:旅立ち
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は相手を安心させる意味合いが殆どだが彼女の決断に感服したのも含まれている。
それをはやても感じ取り、精一杯の笑みをクロノに返すのだった。
その後、嘱託魔導士となるという選択肢を受け入れたはやては一端、病院に戻っていた。
どうやら、昨日の内に外泊許可は切嗣が取っていたらしくおとがめはなかった。
しかし、急に足の状態が良くなったこともあり、しばらくの間、精密検査が行われていた。
そのせいで少し気だるげなはやてであったがお見舞いに来てくれたアリサとすずかの手前、そんな様子を欠片も見せることはなかった。
そして、正午近くになったところでなのはとフェイトが訪ねてきた。
「それで、私は嘱託になることになったんよ。よろしゅう頼むな、先輩」
「あはは……ちょっと恥ずかしいかな」
「うん……あ、でも、困ったことがあったら何でも言ってね」
先輩という言葉に少し照れながらもしっかりと手を貸すことを約束するなのはとフェイト。
はやての方も朗らかに笑いながら感謝を込めて頷く。
色々と大変なことはあったがそのおかげか昨日よりも自分達の絆は強くなっている。
これも、聖夜の奇跡なのだろうかとはやては目を細める。
「ねえ、はやてちゃん。お父さんの方は……」
「それがな、未だに帰ってこんのや。おとん、ああ見えて負けず嫌いやから自分から帰ってくることはないやろなぁ」
「はやて……ごめんね」
できる限り悲しい表情を見せずに語るはやてだったが、やはりその瞳には影が差していた。
それに気づいたフェイトが切嗣が消えてしまった非は自分にもあると頭を下げる。
なのはもフェイトに続くように頭を下げる。
だが、頭を下げられたはやての方は慌てて手を振る。
「なんで、二人が謝るん? 二人はなんも悪くないよ」
「でも……もっと他の方法ならはやてちゃんのお父さんも救われたかもしれないのに」
「それは、もしもの話や。悔やみ過ぎるんわ、良くないよ。それに……おとんは遅かれ早かれ、ああなったと思うんよ」
はやては切嗣の半生を想像しながら噛みしめるように呟く。
例え、今回はやてが永遠に凍結されるという結末を迎えていたとしても、切嗣は必ず己の理想の矛盾にぶつかっていただろう。
そして、同じように絶望し、誰かの前から永遠に姿を消していただろう。
何の根拠もない予想であるがはやてには確信があった。
何といっても、彼女は切嗣の娘なのだから。
「二人のことはちっとも悪く思っとらんよ。やけど、ちょーっとばかし、手伝って欲しいことがあるんよ」
「何? 何でも言ってね」
手伝って欲しいことがあると言われて俄然やる気になるなのはとフェイト。
その素直さにこの子達は将来騙されたりし
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