23.ペットの躾は飼い主の義務。不可抗力なんて存在しない。
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<カボチ村西の洞窟>
ピエールSIDE
魔法使いのマーリンを仲間に加え、即刻出立した我々は昼前にカボチに着いた。
『裸のねーちゃんのダンスショウは?』と、若干一名が出立を渋ったが、金を受け取っている以上、これはれっきとした仕事!
首根っこひっ掴んで出立させた。
村に着くやタイミング良く畑を荒らす化け物に出会した。
あれはたぶん、キラーパンサーだろうが大きさが半端じゃない!
通常のキラーパンサーより二回りは大きい。
まさに化け物だ。
しかし我々の気配に気付くと踵を返して去っていった。
カボチ村の村民は皆、理解する事が出来ない訛りの人々で、辛うじて村長とは会話が出来た。
村長曰く「あの化け物は西の洞窟からやって来る」
私もマーリン老師も待ち構える戦術を提示したのだが、リュカが乗り込む事を強行した。
本来ならば魔獣の巣へ乗り込むのは危険なのだが、リュカは一人で乗り込みそうな勢いだったので渋々ついて行く。
何か変だ!
カボチ村からここまで、黙り考えている。
それまではダンスショウを見れなかった事を愚痴ったり、揚々と歌ったりしていたのに…
あの魔獣を見てから表情が硬くなった。
私は怖くなってきた。
リュカは村に被害が出る事を危惧し村での戦いを避けたのだ!
それ程の強敵…
リュカ程の男を、これ程緊張させる。
強敵との戦いは騎士の本懐、そう思っていたのに…今は逃げ出したい程恐怖している。
リュカは分かっていたのだ。
恐怖で押し潰されそうになる我々の心を。
だから普段は歌い、緊張をほぐしてくれていた。
だが、今はその余裕が消えた。
我らが束になっても勝てなかったトロルを、一人で瞬殺してしまう程の男が…
奥に進むにつれ魔獣の気配が高まっていく。
そして魔獣の巣へ辿り着いてしまう…
巣の奥で魔獣がこちらを睨んでいる。
剣を握る手が震え、喉が渇くのを感じる…
こんなんじゃまともに戦えない!
リュカの足を引っ張ってしまう…そう思った時、
「ここからは僕一人で行く。みんなはここで待機していてくれ」
心を見透かされたのか?
リュカは我らを守る為、一人巣の奥へ進む。
私は恐怖で声が出ない。
一歩も動けない。
リュカ一人を見殺しにしている。
いやだ!
そんなの、いやだ!!私は兎に角叫んだ!
「リュカ!!」
次の瞬間、キラーパンサーは襲いかかりリュカを押し倒して噛み付いている…………………様に見えた。
「ふにゃ〜」
ふにゃ?
「あははは、やっぱりプックルだ!」
え……やっぱり?
「くすぐったいよ!大きくなったなぁ!」
大きくなった??
「ふにゃふにゃごろにゃーお!」
ええ!!
「あ〜…リュカ?何じゃ…その、説明を…」
老師が呆れ口調で問いかける
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