第三章
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そのローブ=ア=ラ=フランセーズを着る時が来た、その時になってだ。
彼女は意を決した顔になってだ、スタッフ達に言った。
「いよいよね」
「はい、遂にですね」
「本番の服を着る時になりましたね」
「そのローブ=ア=ラ=フランセーズ」
「遂にその時が来ましたね」
「あの服はこれまでも着たことがあるけれど」
それでもというのだ。
「大変だから」
「それで、ですね」
「マダムにしても」
「気構えをされていますね」
「そうよ、奇麗な服でも」
さらに言うのだった。
「着ることが大変で、そして」
「さらにですよ」
「動くことも大変で」
「それに脱ぐのも大変」
「そんな服ですよ」
「日本の漫画家さんであの服を描いていた人がいたけれど」
そのローブ=ア=ラ=フランセーズをだ。
「毎回よく描いていられたわね」
「そうですね、確かに」
「描くことだけでも大変な服なのに」
「あれを一コマごとに描くとか」
「もう拷問ですよ」
「よくそんなこと思い付いたわね」
ある意味尊敬して言うサラだった。
「本当にね」
「そうですね、漫画家も大変ですね」
「そんな苦労までしないといけないなんて」
「着る方も着せる方も大変ですけれど」
「描く方も」
「全く以てね、とにかくね」
意を決した顔のままだった、その顔のまま言うのだった。
「しっかりと着るわ」
「はい、それなら」
「今から着ましょう」
「もう着られる衣装は決まっていますし」
「メイクもヘアスタイルもセットします」
「ロココの貴夫人になりましょう」
スタッフ達も言ってだ、そのうえで。
サラは更衣室で変身に入った、それはまさに変身だった。
一旦下着になる、下着自体はラフな白である。
「下着普通なんですね」
「デザインには気をつけてるけれど」
それでもというのだ。
「矯正も効くね」
「そうした下着なんですね」
「そうよ」
下着についてはそうだというのだ、その下着はそのままで。
白のガーターを着けた、ストッキングを太腿まで付けてそれをガーターで止めた。そしてそこからだった。
胸当て、ピエース=デストマ。奇麗なえんじ色のそれを付けてだ。そこから。
スカートのジュップをはいた。それはもうバニエで膨らませている。スカートの前は何段もカーテンの様に何段にもなっていて左右fに白いレースがある。こちらは緑の奇麗な絹だ。
「この絹は」
「はい、どうでしょうか」
「また上等のものね」
「ですからかなりです」
「お金がかかったのね」
「そうです」
このことも語られるのだった。
「ですから」
「ええ、慎重に動かないとね」
「破れたりしたら」
まさにというのだ。
「大変ですから」
「そうよね」
「あとです
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