第1章:平穏にさよなら
第22話「負けられない」
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ってられないわね。
「(完全に受け流すのはさっきので精一杯...!なら、最小限の被害で...!)」
「おらぁっ!」
「ぐっ....!」
今度の狙い澄まされた一撃は受け流せない。むしろ、さっき受け流せたのはほぼ偶然だ。
...だから、直接斬られなければ耐えられるので、刃引きの状態にするかのように、霊力で斧の刃を包みこむ。当然、そのまま斧は腹に減り込むけど、斬られるよりはマシよ...!
「(優輝は言ってた。霊力は魔力と反発する事はないけど相性自体はいい。だから、霊力による攻撃などは魔力の防御を削りやすい。....なら!)」
バインドとやらに込められている魔力を削ぐように霊力を注ぎ込む。
もちろん、斧で斬られないように耐えながら...よ。
「いい加減....死んどけやっ!!」
「(っ...解けた!)」
魔力が込められ、受け流す事も耐える事もできない攻撃が振るわれる直前に、バインドを解く事に成功する。
すぐさま振るわれた斧を避け、足払いを掛ける。
「っぁ....“神鳴り”!!」
ピシャァアン!
「がぁあああっ!?」
霊力を開放し、無理矢理神鳴り...つまり雷で攻撃する。
足払いで隙を作っておいたからか、直撃する。
「はぁっ....はぁっ....はぁっ....。」
...思ったよりも、さっきのバインド中の攻撃が効いてるみたい。
早く、決着を付けないと....。
「っ、がぁああああ!!」
「っ!?キャァアッ!?」
神鳴りによる砂煙の中からクルーアルが飛び出し、魔力を込めた斧で横薙ぎに攻撃してくる。
ほぼ不意打ちだったため、斬られるという事だけしか防げず、思いっきり吹き飛ばされる。
「ぁ...ぐぅう.....。」
「はぁっ...はぁっ...てめぇ....!よくもやりやがったな...!」
「く.....!」
クルーアルは息切れをしており、明らかに弱ってきてはいる。
だけど、私もさっきので吹き飛ばされ、地面を転がったため、立ち上がるだけでも痛みが走る。...正直、さっきまでの激しい動きはできないわね。
ドンッ!
「死ねぇ!」
「っ!!」
―――....だけど...それでも......!
「負けられないのよぉっ!!」
魔力による身体強化で一気に接近し、振るわれた斧に、短刀をぶつける。
ガキィイイン!!
「なにっ...!?」
「“神撃”!!」
私も霊力で身体と短刀を強化していたため、斧を受け流す事に成功する。
そのまま、空いている右手の掌に霊力を込め、思いっきり掌底を放つ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ