第1章 Fate/please love me seriously
第1話 穏やかな朝
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方、風間ファミリーから離れた士郎は、多摩大橋を渡っている親しい後輩を見つける。
「ユキ、準、2人共おはよう」
「む?シロ兄なのだ!おはよう〜!」
小雪は士郎に反応して、ピョンピョン跳ねながら近づいて来た。
その後を準がゆっくりとした足取りで近づいて来る。
「おはようございます、士郎さん」
「おはよう・・・・・・ってこら、ユキ。あんまり跳ねるな、スカートが捲れるぞ?」
「アハハハハ、大丈夫、大丈夫!」
小雪は士郎の注意にも、笑いながら跳ねるのを辞めない。
「そう言えば冬馬は如何した?」
「えっ、あっ、若はちょっと野暮用でいないっすよ」
準は慌てて誤魔化す。
何故なら冬馬は朝帰り――――いや、連絡はあったが帰っても来なかった。
因みに既に学校に居る。
ならば事実を言えばいいのだが、そうもいかない理由があった。
その前に冬馬を含めたこの3人が士郎と親しい理由がある。
3人は昔、士郎に救い上げられた事があったのだ。
小雪は母親に殺されそうなときに士郎に助けられ、残りの2人は小雪経由で父親の圧力から救われたのだ。
因みに、その時の後の事は藤村組も介入しているので、実働は士郎でアフターの様々な事は藤村組が処理したのだ。
つまり3人にとって、士郎を含めた藤村組は大恩人だと言う事だ。
そんな助けられた時に、まるで雷に打たれた様に冬馬は初めてときめいたのだ。
一つしか歳が違わないにも拘らず、自分達を庇う士郎の後ろ姿が大きく逞しく見えたのだった。
そう、冬馬は士郎に恋をしたのだ。
しかし2人とも男だ。
そして士郎はノーマルだ。
法的にも認められない叶わぬ恋をした冬馬は、そのやるせない気持ちをもみ消す様に昔からお盛んに男女問わず食べているのだ。
しかし、冬馬はある情報を耳にした。
最近、同性婚を公式的に認めさせる動きがあると言う。
これには一瞬歓喜したが、何所まで行こうと士郎はノーマルだ。
なので冬馬は今も、お盛ん状態だ。
されど冬馬は今でも本命は士郎である。
その事を知っているからこそ、準は誤魔化しをしたのだ。
だが、これでも士郎の目は確かなモノ。そのために、あっさり誤魔化そうと見抜いたが、「思春期なのだから隠し事の一つや二つもあるだろ」と判断したのだ。その為――――。
「そうか、なら3人で行くか」
準の誤魔化しを敢えて受け入れた。
この事に準は、見抜かれているとも知らずに安堵する。
そうして3人は今日も川神学園に登校していった。
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