04.懐かしのバット。懐かしい感触。懐かしい匂い
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めて複雑な表情をしてたデス。姉としてなんとかしてあげたかったデスけど、ワタシじゃどうにもならなかったネ……」
僕のこと忘れずに、心配してくれてたんだなー姉ちゃん……僕は姉ちゃんがどんな気持ちで帰っていったのか、その最後の表情をよく見てなかったから……。
「さて、積もる話もありマスけど、また明日にしまショー! 今回は時間もたっぷりあるしネー!!」
「分かりました。金剛さん、ありがとうございました!」
「のーぷろぶれむデース! それじゃあシュウくん、ぐんないッ!!」
金剛さんはそう言ってウィンクをしながら部屋を出て行った。後に残されたのは僕一人。……あ、そういえばベッドを使っていいのか聞きそびれたな……まぁいいか。
僕は、先ほど自分で無造作に置いてしまった比叡姉ちゃんのサラシを手に取る。……いかん。考えるな。考えちゃダメだ。そのサラシを小さなテーブルの上に置くと、急に眠気が襲い掛かってくる。倒れこむようにベッドに寝転がり、心地いい感触に身を委ねた。
「……あ、なんか姉ちゃんの匂いがする」
懐かしい匂いを感じたことで、初めて寝る場所のはずなのに、ものすごい安心感に包まれながら眠りにつく。その日は、久しぶりに姉ちゃんに膝枕されて、頭をくしゃくしゃ撫でられる夢を見た。
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