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大海原でつかまえて
03.提督と岸田は似ていた
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人を想像してたんだけど……なんか思ってたのと違う感じの人だ。比叡姉ちゃんの姉と言われると、すごく納得するはっちゃけ具合だ。

「そしてユーがテートクのドッペルゲンガーのキシダデスネー? 二人ともこっちの鎮守府にようこそデース!!」
「は、はいぃいいッ!! 金剛ちゃん!! 本物の金剛ちゃんだぁあああ!!!」
「ハイ! 本物の金剛デスヨー!」

 本物の金剛さんを目の前にした岸田は甲殻類から霊長類ゴリラゴリラにまで進化し、今は広がった鼻の穴から蒸気を噴出させつつ金剛さんと握手している。その『ふーん! ふーん!!』て鼻息はよせよ岸田……

「ふぁあああああ!!! 洗わねえ!! おれ、もうこれからずっと手を洗わねぇ!!」

 岸田……本人の前でキモい発言は謹んでくれ……

「では解散。金剛、シュウを比叡の部屋に案内してくれ。そこで就寝してもらおう」
「わかったネー! じゃあシュウくん、ふぉろみー!!」

 金剛さんが比叡さんに似たお日様のような笑顔でそう言い、僕の肩をポンッと叩いてウィンクしてくれた。姉ちゃんとは違う感じだが、この人も悪い人ではなさそうだ。

「あれ? じゃあおれは?」

 相変わらずのゴリラ岸田がポカンとした顔でそうつぶやく。その言葉を聞いた提督が岸田の隣にやってきて肩を抱き、ニヤッと笑ってこう言った。

「キミはおれと大淀と3人で、隣の司令室で楽しい楽しい漫談タイムだ」
「ちょっと待てよ! おれも鎮守府の中散歩したい! 比叡たんの部屋行きたい!!」
「ダメだっ。おれと一緒に大淀に笑われようぜ」
「お、大淀たんに……嘲笑されるだと……?」
「そうだ。あの大淀にあざ笑われ、蔑まれ、“この豚野郎”と罵倒されるんだ」
「そ、それも悪くない……」

 マジか岸田……生粋の変態ではないだろうとは思っていたが、僕は岸田のことを過小評価していたというのか……大淀さんをチラッと見ると、困ったように苦笑いをしていた。大淀さん、こういう時はたとえ上官でも怒っていいと、僕は思います。

「ではシュウ、また明日会おう。おれはこれから大淀さんに罵倒されてくる。キリッ」
「そういうことだ。では俺達は大淀に罵倒されなきゃいかんので失礼する。キリッ」

 岸田……僕は今日限り、岸田のことを変態ドM野郎だと思うことにするよ……。あと提督、あなたこの鎮守府の責任者ですよね? そんなことでいいんですか?

「テートクはいつものことデース。さ、ワタシたちは部屋にいくヨー!!」

 マジか……これでいいのか叢雲たんチュッチュ鎮守府……いや名前からしてすでにアウトだけど……つーか、やっぱ似てるんだなこの二人……

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