03.提督と岸田は似ていた
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は俺の落ち度だな。すまん」
提督は僕の質問を聞いたところで、椅子に深くもたれかかった。
「すでに妙高型4姉妹とビスマルクと赤城、計六名が、救援部隊として出発している」
そうか……すでに救援隊が出発していたのか……だからみんな落ち着いていたんだ。
「今回出撃させた6人は当鎮守府でも打撃力に秀でた手練だ。加えて、比叡はこの鎮守府でもトップクラスの練度を誇る艦娘だ。囮を引き受けた後に何度か報告を受けたが、今のところは大丈夫だ。比叡であれば、救援部隊が到着するまで持ちこたえられるだろう」
よかった……提督も落ち着き払ってるし、何も心配することはなさそうだ。……ん? ちょっと待て。
「提督、僕は姉ちゃんを助けるために来た」
「うん。そう聞いてるな」
「だとしたらマズくないかな。姉ちゃんが助かったら、僕の目的は達成されたことになる。そうしたら僕は、姉ちゃんに会うこと無く元の世界に戻るってことにならないかな……」
「比叡が勝手に助かる分には大丈夫だと思うぞ。キミが助けなければ、目的未達成ってわけだし」
そんな簡単なことなのか?! そんな言葉遊びみたいな程度のことで片付く問題なのこれ?! 姉ちゃんが助かった途端に強制送還なんて僕はイヤだよ?!
「ごめん。なんか気になっちゃって……」
「いいさ。それだけ比叡のことを大切に思ってくれてるってことだろ。それは提督として嬉しいかぎりだ。もっとも、そんな俺の分身である岸田はそうでもないみたいだが……」
僕と提督は、自然と岸田に目をやる。岸田はサワガニに退化して、泡を吹きながら痙攣していた。ブツブツと何かうわ言を言っていたのでよく聞いてみると、『ちくしょう……シュウにおれの比叡たんが……NTRだ……これはNTRだ……』と言っていた。よく見たら血の涙を流していた。
不意に、誰かがドアをノックした。提督が再び帽子を被り、席から立ち上がる。
『テートクぅ〜。OH! 淀に呼ばれてきたヨぉお〜』
「おう。入ってくれ。あとOH! 淀じゃなくて大淀な」
提督が入室を促すと、見覚えのある巫女装束に身を包んだ女性が、大淀さんと共に部屋に入ってきた。栗色の長い髪や、柔らかな顔つきといった違いはあるが、どことなく雰囲気が比叡姉ちゃんに似ている。
「というわけで、順調に行けば明日の昼ごろには比叡たちも戻ってくる。それまでシュウはゆっくり休んでくれ。世話役として金剛をつける。比叡の姉だ。知ってるな?」
そっか。この人が姉ちゃんのお姉さんの金剛さん。
「ユーがシュウくんですね? 私はシュウくんのお姉ちゃんのお姉ちゃん、金剛デース!!」
「はい。はじめまして」
確か比叡さんの話だと、仲間思いのすごく優しい人って聞いてたからもっとおしとやかな
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