第3章 リーザス陥落
第75話 ホッホ峡の決戦W
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〜解放軍 最後尾 高台〜
戦況をしっかりと見ていたのはアイゼルだけではない。この場で何もしていない? と言ったら五月蝿いが、殆ど何もせず、茶をしばいていたランスが双眼鏡を片手に見ていた。
「おー……」
敵陣の分厚い所が、赤色の人並に強引にこじ開けられ、突破されていく。突撃にまるで耐えられず、崩壊していく。
そして、マリア達の部隊によってさらに動きが止まって、ミリやラン、トマトの部隊によって切り離された先遣隊が見る見るうちに、崩壊の一途を辿っていった。
「どうしたんですか、ランス様」
戦場が気になるのはシィルも同じだ。
だけど、双眼鏡はランスしかないから、どう言う状況になっているのかが判らない。だから、不安なのだ。……そんな不安なシィルを見て、意地悪をしたくなるのは、ランス。
「……………お前には教えてやらん」
「えっ、そ、そんな……」
さらに不安感が押し寄せてしまい、シィルは涙目になってしまうが。
「大丈夫。……かなり優勢よ。一番危険、って言われてた場所だけど、あの3人が先陣切って、敵を倒してる。勝ちはもう目の前ね」
「あ、こら! フェリス!!」
「ただの独り言。……戦争に関係あるでしょ?」
「ぐぬぬぬ……」
フェリスのしてやったりに、ランスは歯噛みをする。シィルは、状況が知れて、皆が無事で嬉しいのか、笑っていた。
「わ、ありがとうございます! それに流石は、 リックさん、清十郎さん、レイラさんですね」
「ふん。まあ オレ様程じゃないにせよ、なかなかだな。ただの戦闘馬鹿とはよく言ったものだ。……あの黒いぼけ老人とはわけが違う」
「ランス様、そんな……、でも、バレスさんも、ほら……!」
シィルが指さした先には肉眼でかろうじて見える距離の高台にて、陣をとっていたバレスが、弓をつがえた兵を指揮していた。
「む、右30度……放て!」
丁度こちら側の部隊に追い詰められ、戦車の砲撃で足が止まった部隊に、容赦なく矢の雨が降り注いだ。的確な指示と弓矢に、成す術なく、倒れていく。
「撃ち方止め! 全員、掃射! 次は右60度! 角筋受けにくし、じゃ! 上から敵を分断せい! エクス、ハウレーン隊にも伝令を。この2分間の攻撃で、さらに分断される! その西側を付け、と!」
散々に矢を掃射して、敵部隊に痛手を与える。そして、未来を見据えているのであろう、的確な指示、そして状況判断も優秀な、エクスやハウレーン達、部隊の連携で 瞬く間に殲滅をしていった。
「……高台から弓で一方的に虐殺するとは。卑怯なじじいだ」
「それ、ランス様の指示です……いたっ」
「ふむふむ。そうだ、あとはかなみか。あいつらは……
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